2回続きで、2027年に東京-名古屋間で先行開業するリニアモーターカー(リニア中央新幹線)による不動産市況への影響をお伝えしました。
1、地方部のリニア新駅
ここで、リニア中央新幹線による新駅の候補地をもう一度確認しておきましょう。
品川駅(東京都) |
相模原市新駅(神奈川県) |
甲府市新駅(山梨県) |
飯田市新駅(長野県) |
中津川市新駅(岐阜県) |
名古屋駅(愛知県) |
東京都品川と名古屋を除き(相模原も既に大きな街ですが)、残りの3つはリニアの誘致を地方創生の起爆剤にと誘致し、成功した場所です。それでは、これらの街に不動産を有する方々は、どのように考えるとよいのでしょうか。
2、街が「変身」する可能性も
リニアの誘致に気持ちが高鳴るのは理解できますが、まず駅舎の場所と路線の位置、そして新設される道路(主に幹線道路)の位置が固まるまでには様子を見ましょう。
最初にこれら3つの配置が決まり、都市化計画などによって街の形が決まっていきます。基本的な形が決まってくると、道路が整備され、大型のスーパーなどが街の核として出店を検討します。行政主導で街をどのようにしていくか、方向性の説明を受ける機会も増えていくでしょう。
これまで日本は、高速道路や新幹線を日本隅々まで広げるという計画のもと、たくさんの街が新設されていきました。時代が変わり、それらの動きに停滞感が広がるなか、久しぶりに日本を縦断する大型プロジェクトが今回のリニア中央新幹線です。あまりに大規模過ぎて、2020年の東京オリンピックに間に合わせることが早々に諦められたほど。
計画地に不動産を所有している方は、地方衰退と人口減少によって先が見えずにいた所有地の「これから」に「まさか」の展開が降りてきた、そんなイメージでしょうか。都市部から建設の開始したリニア中央新幹線も、今後は幾多の難工事を経て西へと進んでいくことでしょう。そのなかで、不動産所有者は最新の情報を取得し、大きな判断をすることが求められています。