不動産投資を始める際、「都心と郊外、どのエリアにある物件を買うか?」というのは、「新築を買うか中古を買うか?」と同様、誰しも一度は悩むポイントではないでしょうか。
今回は都心と郊外それぞれの物件について、メリット・デメリットをご説明します。
1、都心の物件と郊外の物件、メリット・デメリットは?
【都心の物件】
(メリット)
・空室リスクが低い
・高い賃料設定ができる
(デメリット)
・価格が高い
・利回りが低い
・融資を組みにくい
都心は人口が多く、かつ人口流出があまりないので、都心の物件は通勤・通学先へのアクセスの良さを理由に賃料を高く設定しやすいのがメリットのひとつ。そして建物が古くても立地がカバーしてくれるので、空室リスクが低く安定した家賃収入を得ることができます。万が一入居者募集に苦戦し、空室が発生した場合でも、(最終手段ではありますが)家賃の値下げが有効。
ただし、好条件の物件を購入するということで、初期コストが高くなってしまうのがデメリットです。固定資産税などの税金まわりは郊外に比べ高くなってしまうので、利回りは低くなります。また、該当物件に対する金融機関の評価額と物件の実勢価格(実際の取引が成立する価格)に差異が発生しやすいため、「思ったよりも融資を受けられなかった」という事象が起きやすいのも懸念すべきところ。
【郊外の物件】
(メリット)
・価格が安い
・利回りが高い
・融資を組みやすい
(デメリット)
・空室リスクがある
・賃料を高く設定しにくい
郊外は人口が少なく、また人口流出の可能性があるため、物件購入時の価格が安いことが特徴です。都心と比べると競争が激しくなく、内装や設備を充実させることで物件の競争力を高めることができます。そして都心の物件と同程度の家賃収入を得ることができた場合は、利回り良く資産を増やすことが可能。物件に対する金融機関の評価額と実勢価格との差異が開きにくいため、融資を組みやすいのもメリットとして挙げられます。
その代わり立地の関係で賃料を上げにくく、かつ空室リスクがあるのが懸念点。将来的な人口減少を考えると、賃料の下落が起こりうるのも怖いところです。
2、それぞれ、どんな人におすすめ?
以上のことから、①年収が高く、投資に使える貯金が多い人=都心の物件、②年収があまり高くなく、貯金が少ない人=郊外の物件、というのが一般的な理論です。自己資金をどれだけ投資できるか、という点が選別のポイントになります。
「とはいっても、郊外の物件は空室リスクがあるのではないか」と考える方がいらっしゃるかもしれません。人っ子一人いない地域の物件を購入するのは全くおすすめできませんが、例えば「近隣に大学や工場がある(またはできる)」地域であれば、検討の余地があります。ただし注意すべきは、大学や工場が都心回帰の動きを見せており、「学生や工場勤務者の需要を見込んで購入した物件で空室が続いてしまった」ということも十分に考えられる点。
何にせよ、事前の情報収集は不可欠です。情報誌を欠かさず読む、投資家の勉強会に参加するなどの取り組みを続け、自分の資産状況に合わせた地域の物件を絞っていきましょう。