「任意売却」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。居住用住宅を購入し、20年~30年のローンを借り入れたものの、予定通りに返済することができず、住居を手放すことをいいます。裁判所の主導のもとで手放す「競売」よりは市場に即した売却値とできるものの、老後生活を迎えてから住宅を手放すことには変わりなく、また代わりの賃貸物件に住んで賃料を支払い続けなければなくなり、心理的にも経済的にも負担が大きいといわれています。ここ数年、この任意売却が増えて大きな問題となっています


参考:幻冬舎GOLD ONLINE http://gentosha-go.com/articles/-/5647


1、住宅ローン借入に大事なのは返済時の年齢


住宅ローンを借りるとき、借入者の多くは固定金利か、変動金利といった「当面の金利」などを重視しがちです。もちろんローン購入において金利がどのようになるのかは重要なこと。ただ、住宅ローンの返済計画においては金利よりも大切なものがあります。それは、20年や30年という返済期間を設定した際に、「返済時に何歳になるか」ということ。特に、会社員の方で返済完了年齢が定年を超える計画は、申込みにあたって「本当に大丈夫なのか」と再確認が必要だと思います。


住宅購入計画を相談される方のなかには、頭金を準備せず、いわゆる「フルローン」によって住宅ローンを申請する方がいます。また諸費用を込める「オーバーローン」にすると、より返済月額が高くなってしまいます。私たち専門家も住宅ローンの返済が滞り、住処を手放して欲しくはないため、「本当に大丈夫か」と確認します。




2、頭金を準備できない理由を落ち着いて考える


ただ、住宅を購入できる高揚心もあるのでしょうか。「定年が近くなれば貯蓄して対応する」と一蹴されてしまうことも多いです(もちろん落ち着いて考え直す方もいます)。貯蓄が出来るなら高リスクはフルローンを選ばず、多少ながらも頭金を準備できているはず。特に最近は低金利で、不動産会社も金融機関も「今が買いだ」と勧めることにより、フルローンに対しての抵抗心も少しずつ薄くなっているように感じます。


同様によく「いざとなれば繰り上げ返済も」という声も聞きますが、繰上げ返済もまとまった一時金の支払いが必要なため、準備なくして出来るものではありません。

住宅ローンは購入時、とても胸が高鳴るもの。だからこそ敢えて20年後、30年後を見ることで、長期的なローン返済計画を組み立てることが大切です。

 
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