卸売市場を築地から豊洲に移設する動きが佳境を迎えています。豊洲近隣にマンションを持つ方にとっては、この問題の結論で周辺の地価が左右される可能性があるため不安になっているでしょう。ただ、豊洲のような埋立地でこれからマンションを購入する場合、今回の土壌の問題は決して「対岸の火事」ではありません。
1、所有マンションに土壌問題があったときの影響
土壌問題が問題になるのは主に「土地の売買」です。売主から買主に土地を引き渡すのに対して、土地に土壌問題があった場合は解決してから引き渡さなければなりません。今回は民間企業から行政への権利移動のため少し傾向は異なりますが、土壌問題を解決しなければ問題が膠着している状態が続いています。
たとえば豊洲のような埋立地で所有マンションを購入する場合、土壌の状態を確認することは必須です。もちろん建築済のマンションで建物を解体して土壌調査をするわけにはいかないので、売主に「土壌調査の調査報告書」を出して貰うようにしましょう。可能であれば、それを不動産に詳しい人間に確認して貰うことをお勧めします。
不動産業者や建築業者は土地の売買で必ず土壌の状態を確認するため、調査報告書の見方や記載事項の知識を有しています。不動産の売買に関して、買主は消費者契約法などで保護はされていますが、土壌に対してノーチェックである契約と、確認し不安を除去したうえでの購入はまったく異なります。土壌チェックは「安心感」を購入することでもあります。
2、埋立地は以前「田畑」の場合は希少
これだけ念入りに確認を勧めるのは、「埋立地」という特徴もあります。田畑の場合、土壌を悪化させる埋立物や廃棄物が埋設している可能性はそれほど高くありません。ただ、現在マンションを建てている場所が化学工場の跡地などの場合は、日常生活に影響のある(もしくは悪影響のイメージがある)要素が土壌の成分に混在していることも。
特に都市部の埋立地だと、埋立地は工場用地の確保のため開発した場合が多くあります。以前「田畑」という場合はむしろ少ないでしょうか。特に東京は湾岸埋立地のブランド化が進んでいるため、マンションを購入してから思わぬ土壌の問題にてマンションの価格に著しい影響があるという場合も。
豊洲問題は決してマンション購入者にとっても「対岸の火事」ではありません。購入時は、様々な可能性を考えて動くようにしましょう。