2017年3月、Retech(不動産×Technology)の本格到来を予感させるニュースが報じられました。不動産取引において確認しなければならない「重説」が今秋からオンラインになります。これにより、不動産取引はどのように変わるのでしょうか。


1、「重説」がオンラインになることで期待できる影響


「重説」は正式名称を重要事項説明書といい、賃貸・売買問わず不動産取引の際に交付が必要なものです。この説明には宅地建物取引士(宅建士)による説明が必須です。物件を賃貸(売却)する際に貸主と借主、売主と買主のあいだで伝達しなければいけない物件の情報や近隣の情報、抵当権などの情報を記載します。


この重説がオンラインになると、まず宅建士の負担が減ります。今回はオンライン化の開始にともない、まず「賃貸」から重説がオンライン化されることが報じられています(同時に社会実験の行われていた法人取引は実験継続)。これは不動産会社にとってのみ好都合なものではありません。規模の小さな不動産会社などでは、前線の営業マンが宅建士を所有していない場合も多く、借主はそのために重説の説明を待たされたり、複数回不動産会社を訪れたりといったことが発生していました。


紙媒体の節約にもなります。些細なことのようですが、全国で交わされる契約の数を考えるととても大きな変化です。


これを解決することで、賃貸手続きの簡素化が開始されます。今回は事前に国土交通省に申請をした不動産会社が参加することができるため、少しずつ中小の不動産会社にも展開していくものと考えられます。



2、重説の次に続くRetechは?


それでは重説の後には何が続くのでしょうか。ひとつの側面は紙媒体がなくなること。契約書や物件の広告、申込書などが対象になるでしょうか。もうひとつは「わざわざ物件まで足を運ぶこと」がなくなるのではないかということ。2016年に大流行したポケモンGoのようなAR(拡張現実)の技術で不動産物件を内見し、重説や契約書もオンラインで出来るようになるということ。


まさに、自宅にいながら引越し先を決めて、賃貸契約まですることができるようになります。まだまだ先の話とも考えがちですが、実際に不動産の世界以外ではAR技術はお馴染みのものとなり、その技術も日進月歩で進んでいます。

Retechが不動産を席巻し、借主そして貸主にとって「当たり前」になることも近いかもしれませんね。

 
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