3月13日から日本経済新聞に「異変 マンション市場 戸建てより高い」という連載が開始されました。記事によると、2016年に首都圏の不振を主な原因として、マンション供給数は24年振りの低水準を記録したといいます。新築のマンションを市場に売り出しても「契約できない」ため、不動産会社各社は新規発売のタイミングも含め、市場を凝視する日々が続いていると報じられています。
1、居住用のマンションを売るタイミングではないのか
そこで考察されるのは、新築ではなく「中古のマンション」における売却のタイミングの考え方。ここ数年の不動産価格の高さを「好機」と見て売却物件として相場に出しても、肝心の買主との間に売買契約がまとまらなければ何の意味もありません。その時に気になるのはひとつのデータです。
2、日本人の顕著な「新築好き」
リクルートの「住宅総研オリジナル 消費者調査の結果」によると、世界と比べて日本の「新築好き」は際立っているというレポートが出ています。もっともこれは居住用住宅に限った話ではなく、日本の新しいもの好き、そして「何となく人が住んだものには住みたくない」という心理が影響しているものといえそうです。
参考:リクルート 住宅総研オリジナル http://www.jresearch.net/house/jresearch/kizon/pdf/kizon08_04_comment.pdf
これは不動産物件を所有し、「これから居住用住宅を売却しよう」と考えている方には向かい風の統計です。ただでさえ新築好きがベースにあるなか、新築のマンションが供給過多にあるのであれば、いまは不動産売却のタイミングではないと判断するのも大切です。
3、不動産の流れは「変わる」
いずれ居住用住宅を売却しようとは思っているが、相続や手元キャッシュの不足などで「それほど急いではいない」という場合は、短期間での不動産売買を控えるというのも手です。2020年に東京オリンピックを控えている時勢と、不動産価格の「バブル感のある」高騰を見ると、いずれ反動で需要の高まる可能性も十分に想定できます。急いで売却するよりは、そのときに間違いとタイミング遅れのない判断をするために準備をするというのも大切です。
「そうはいっても知識が」という方は、一度不動産会社を廻ってみましょう。市場には出ていないデータなどを提供してもらえると、判断の一助になるはずです。不動産は大きな買い物ですが、どのタイミングで売るかという「出口戦略」も大きなポイント。まずは様々な情報を把握するところから進めていきましょう。