不動産×Technologyとして注目を浴びているRetech。不動産(real estate)のため、Realtechと呼ぶケースもあります。不動産に関連する様々な部分にTechnologyの力を活用し、顧客な更に便利になる環境を整えていこうというもの。
このRetech、推進するうえで大きな壁となるものがあります。それは不動産取引や重要事項説明に使用される膨大な書類や、特定の営業マンしかわからないという属人的な知識や情報。これら煩雑な情報をTechnologyの力で変えていこう!とする動きを、Regtechといいます。
1、Regtech(レグテック)とは?
Regtechとは、そもそも金融領域において、Regulation(規制)×Technologyの動きを指したもの。法律による規制や、業界による取り組みなどをアップデートする動きを指します。
不動産業界は、扱う商品の価格がとても大きいことから、宅建業法にもとづく登録業者に権限を限定してきました。また個人に対しても、宅建資格に合格した人に限定して重要事項の説明権を付与してきました。
もちろんこれらの「規制」は、不動産取引において大きなトラブルを失くすこと、品質を保つことにおいて大きな価値があります。ただ、小さな不動産業者においては宅建所有者が少なく、不動産取引が待たされるという弊害がありました。また、資格制度をはじめ関連情報を「属人化」することで、「その人がいなければ何もわからないが今日は休み」という、他の業界から見ると信じられない対応が通ることも。
先頃私の弟も東京に来ることになり部屋を借りましたが、上京した日が水曜日だったため、賃貸オーナー側の不動産業者が空いていない、ということに。空いていた部屋のなかに気に入った部屋がありましたが、遠方からの内見はとてもリスクの高いものです。
2、Regtechで出来ること
たとえば不動産の内見を、不動産業者がAR(仮想現実)を使って不動産事務所で行うことができます。これでわざわざ不動産業者、借り手、場合によっては賃貸オーナーの都合を合わせる必要はありません。
また、重要事項説明に関してもSkype等を活用したうえで、オンライン決済により手続きを進められれば、借り手(顧客)の都合を何よりも優先して遠隔で手続きをすることができます。
このように、わざわざ顔を揃えなくても出来ることが増えていくRegtech。旧態依然の手続きがまだまだ多いRetechと連携し、次々と斬新なアイデアによるサービスが生まれています。