不動産価格が上昇基調が続いています。この上昇は相続においても大きな問題です。相続において不動産の価値は、「路線価」という指標を使用します。路線価は不動産価格に比例して上昇するため、評価額があがると相続においての資産額が上昇します。
1、不動産の相続は何年も前から準備が必要
たとえば長男に居住用住宅を渡した場合、同等の現金(もしくは他の資産)を次男に渡さなければなりません。相続において不動産価格の上昇は「承継資産の負担増」という意味を持ってしまいます。
<不動産価格の上昇※概算>
2012年 |
-1% |
2013年 |
-0.5% |
2014年 |
2% |
2015年 |
2% |
2016年 |
3% |
出典:東京都の標準宅地における評価基準額の対前年変動率平均値
そのため、不動産の相続にあたっては「誰に引き継ぐか」ということを決めなければいけないと同時に、その分をほかの資産で補わなくてはならず、それも一朝一夕で準備できるものではありません。
2、早め早めに専門家へ相談を
「不動産を所有していると対策が大変なことはわかったけれど、現段階で何をしていいのかわからない」。普段から相続について考える機会など、ほとんどの家庭がありません。その時は何よりも「専門家」に聞くことをお勧めします。
不動産と評価額と一言にいっても、建物を建てることによって固定資産税などの税金が下がったり、広大地評価などの対策を取ることができます(もちろん対象となる物件は限定的です)。ただ相続した土地に建物を建てることは目を丸くするような初期投資を必要とするため、自分たちだけで解決することはお勧めしません。
彼らに相談すると多くの場合、「遺言」を書くことを勧められます。特に「公正証書遺言」を書くと、もしものことがあった場合、遺言の在処もはっきりしているため、スムーズな相続手続きに移ることができます。
財産を遺す人も、いまの段階では親世代が所有する財産を承継する(予定の)人も、生前に可能な限りの準備を進めておくことがベターですが、なかなかそれは難しいもの。
また、株価のように急激な下落は起こりませんが、不動産の額も今後、下落の可能性が予測されています。その時には「下落した相続にとってプラスだ」ではなく、根本的な対策の変更が求められる可能性も。
普段から考えておくことが何よりも対策なのですが、専門家でもない限り難しいことでしょう。定期的に家族全員で、その日のために対策を考えておくことがポイントです。