年末年始はご家族、ご親戚が集まる機会ですので、親戚全体に関わることを話し合うために良い機会でもあります。ご実家の売却をするなら、ごきょうだいやご親戚との話し合いが必要ですし、最近注目されている「墓じまい」についても、ぜひ話し合っておきたいところです。
お墓の今後をどうする?
もしもご実家を売却して、お墓の管理をする人が近くにはいなくなってしまうという場合、次のような選択肢があります。
・今あるお墓を、別の管理しやすい場所に移す
・信仰している寺院などで永代供養してもらう
・今あるお墓をそのままに、墓参代行を業者などに依頼して管理し続ける
いずれの方法を選ぶとしても、まずはご親戚とよく話し合った上で、「ご遺骨の行き先を決める」ことが必要です。というのは、ご遺骨を今あるお墓から取り出す作業に移る前に、市役所などで「改葬許可書」を発行してもらう必要があるのですが、このときに「ご遺骨が受け入れてもらえる場がある」という証明書を、受け入れ先から発行してもらわなければならないのです。
寺院への相談も早めに
信仰している寺院があり、長い間お世話になってきた場合には、墓じまいの計画があることを、できるだけ早めに相談しましょう。お世話になったのですから、それがマナーというものでしょう。
さらに、お墓からご遺骨を取り出したり、墓石の撤去作業などを行う場合には、寺院にもご迷惑をかけることになりますので、相談しながら進めていくのがよいでしょう。
ご親戚や寺院との相談だけでも、数か月単位で時間がかかってしまうことがあります。実家は売却できたとしても、お墓をそのままにしていたがために、なんども故郷へ帰って話し合いや手続きなどをするのは大変です。そのため実家の売却を進めると同時に、墓じまいについても進めていきましょう。
さて、墓じまいとともに考えたいのは、仏壇仏具、神棚などを将来どうするかということです。墓地や墓碑、そして仏壇仏具、神棚などは民法の上で「祭祀財産」と呼ばれています。祭祀財産は分割して相続すると祭祀に支障をきたしますので、一般的な相続財産とは違う扱いがされます。祭祀財産については、次回のブログ記事で取り上げたいと思います。