11月15日、NHKクローズアップ現代で猫の多頭飼育崩壊について取り上げられました。猫を飼っているうちに繁殖が進みすぎて、家はボロボロになり、猫たちの餌代も大変な金額にのぼっているというお宅が紹介され、衝撃を受けた方も多いでしょう。
ペットを飼う前に知りたいこと
ペット不可の物件に住んでいた人たちが、ペットを飼えるマンションや戸建て住宅を購入することをきっかけに、ペットを飼い始めることがあるでしょう。このときは「ただ可愛いから」とペットを選ぶのではなく、まず次のことを調べましょう。
・犬小屋、ケージ、トイレなど必要な道具は何か? 費用はどのくらいか?
・餌代、ワクチン代など年間にどのくらい費用がかかるのか?
・家の床、ドア、障子・ふすまなどを傷つけられる可能性はあるか?
これらを確認しないで飼い始めることで、ペット・人間の双方にストレスがたまります。そして、もしも転勤や引っ越しの可能性があったり、今後生まれてくるお子さんがアレルギーを持っていた場合などに、「ペットはどうするのか?」を慎重に考えましょう。
ペットを飼っていた物件は売却しにくい?
まず、ペットを飼っていた事実が、すなわち「その物件を売却しづらくなる条件」とはなりにくいでしょう。中古住宅を購入する人の中でも、ペットを飼いたいと思っている人は、「ペットを飼えば、家は傷つくもの」ということに理解があるからです。
しかし、ペットを飼っていたことを隠して、物件を売却すると思わぬトラブルにつながることがあります。購入希望者が犬・猫にアレルギーを持っていた場合、犬・猫を飼っていた物件を掃除やリフォームできれいにしたとしても、取り除ききれなかった毛などの影響で、アレルギー症状が出てしまうといった可能性があります。
初めから「犬・猫を飼っていたという事実に理解がある買主」に売ることで、トラブル回避ができます。
近くの人がペットを飼っている場合
もしも、次のような出来事が起こっているのに、買主にそのことを黙って売却した場合は、告知義務違反となる場合があります。
・近くの人がペットを飼っていて、鳴き声がうるさい
・近くの人のペットが異臭を放っている
「クローズアップ現代」で取り上げられた現場でも、ご近所からの苦情が寄せられていることや、現場によってはご近所からの訴えで地域のボランティアが介入したことが、紹介されていました。
「ペットを飼う」ことは、お子さんの情操教育や家族間のコミュニケーションなどを図る上で大事なことですし、将来、マイホームの売却を考えたときにも影響をする重大なことです。さらに、ご近所との関係を左右する出来事でもあります。「たかがペット」と考えず、重大なことであると認識した上で飼い始めることが大切です。