土地を売却する場合、将来のトラブルを防ぐために役立つのが「境界確定測量を行っておくこと」です。
境界確定測量とは?
境界確定測量とは、現地において関係権利者立会いの上で、境界を確認し、境界点に境界杭を設置して、境界確認書の取り交わしや、測量図等を作成する作業のことを言います。ご近所の皆様に協力していただくことが必要です。
土地の売却を不動産仲介会社に依頼する場合、その会社と提携している測量士・土地家屋調査士に境界確定測量を依頼することもできますし、売主自らが土地家屋調査士に依頼するという方法もあります。
境界確定測量をぜひ行いたい場合とは?
敷地に境界杭が見当たらない場合
敷地の角に境界杭が見当たらない、すべての角に揃っていないという場合は、境界を明確にしてから売却をする必要があります。
登記簿記載の面積と実際の面積に大きな相違がある場合
測量技術や機器が発達していない時代に行われた測量の結果が登記簿に記載されていたり、境界杭が移動されたなどの理由で、登記簿に記載されている面積と実際の面積に違いがある場合は、改めて境界確定測量を行うことが重要です。
都市部など地価が高い地域の場合
面積がほんの少し違うだけで、不動産の売却価格が大きく変わってしまいますので、正確な地積を求めておく必要があります。
逆に、郊外の土地は、地価が低いためトラブルが起こりにくいと考えられますし、その中でも広大な土地を測量すると、測量費用が高額になります。そのため測量を行わず、公簿面積で取引を行う場合もあります。
境界確定測量にかかる期間は?
おおむね3~4か月で終了することが多いのですが、近隣の方々の理解が得られない場合には、年単位の時間がかかってしまうこともあります。また、境界が確定した後になっても、近隣の方が荷物や木の枝などを撤去してくれないなどの可能性も考えられ、問題が長引くこともあります。
測量費用は売主・買主どちらが負担?
不動産売却の場面では、測量費用は売主が負担することが多いです。民法の上では「売買契約に関する費用は当事者双方平分してこれを負担する」という定めがあるのですが、不動産の売買については、売主側が測量費用を負担するという特約をつけることも多いのです。
境界確定測量をきちんと行っておくことは、不動産売却をスムーズに進めるため、そして後のトラブルを防ぐために重要です。3~4か月という時間がかかることも考えると、早めに取り掛かるのが得策でしょう。