不動産売却を考えているなら、ぜひ知っておいていただきたいのが「REINS(レインズ)」と呼ばれるコンピュータ・ネットワーク・システムの存在です。レインズは、Real Estate Information Network System の略称で、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているシステムです。レインズを通して各不動産会社が取り扱っている物件についての情報交換が、リアルタイムで行われています。
不動産売却を考える人にとっては、レインズに物件の情報を登録してもらうことで、早く買い手がつく可能性があります。売却予定の物件についての情報を、媒介契約を締結した不動産会社だけではなく、レインズに登録している数多くの不動産会社が参照することができるようになります。その結果、物件の情報が数多くの購入希望者に届くようになるためです。
また、物件の購入希望者にとっても、一軒の不動産会社を訪ねるだけで、他社が取り扱っている物件の情報も得られるようになるというメリットがあります。
ただし、売却予定の物件が全てレインズに登録されるわけではありません。不動産売却の際に不動産会社と媒介契約を結ぶことになりますが、物件の情報をレインズに登録する義務があるのは「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」を結んだ場合です。「一般媒介契約」の場合には登録する義務がありません。そのため、物件を売却する予定ということを、近隣の人などに知られたくないならば、レインズに登録されないよう一般媒介契約を結ぶという方法があります。
不動産会社と媒介契約を結ぶまでに、「どの会社に依頼するか」「どの媒介契約を結ぶか」「売り出し価格はいくらにするか」など、決めなければならないことがたくさんあります。不動産会社に売却希望であることを伝えると、会社側はレインズで付近の相場や事例などを調べ、「当社ならばこの価格から売却活動を始めます」と提案してくれます。この段階で納得のいく価格を提示してくれる会社を選ぶためにも、複数の不動産会社と話し合う機会を持ちましょう。
また、不動産会社に売却活動を任せ切るだけではなく、親戚や知人などに「売却したい物件がある」と話すのもよい方法です。なぜなら、不動産の購入を考えていなかった人が「親戚・知人の紹介ならば」と購入に乗り気になる可能性はあるからです。ただし場合、
不動産会社と専任専属媒介契約を結んでいる場合は、売却希望者自身が買い手を見つけたとしても、取引は不動産会社を通して行わなければならないため、注意してください。
以上のように、不動産売却の初めから終わりまで、レインズというシステムが深くかかわってくることを、ぜひ知っておいてください。