米国におけるトランプ大統領の誕生はまさにゲームチェンジャーと言えるでしょう。メキシコとの国境に壁を作る。自由貿易よりもアメリカ第一主義を優先する。常識では考えられないような政策を次々と打ち出しています。そもそもは途中で交代して試合の流れを一気に変えてしまう選手。転じて、世論の動向を大きく変える人物や出来事がゲームチェンジャーと言われます。

 実は、不動産においてもゲームチェンジャーと言えるような、常識を覆す発想で利益を上げている業態があります。コインパーキングです。不動産賃貸を行おうとする人が最も重知るもののひとつが利回りです。物件の利回りがどれくらいあるのかは、事業の収益性を判断する大きな基準となることは疑いようのない事実です。投資家は高い利回りを実現させようと躍起になっています。経験を積んだ投資家の多くは立地条件の良い、新築物件よりも、値段のこなれた中古物件を好みます。なぜなら、投資額が小さく高い利回りが見込めるからにほかなりません。

 一方、コインパーキングの場合はどうでしょうか。コインパーキングの収益は立地が悪くなるにつれて確実に下がっていきます。コインパーキングは看板のわかりやすい場所、駐車しやすい場所から確実に埋まっていくのです。例えば、同じ路線価の道路に面している土地で、同じような土地の評価額であったとしても、ごく些細な条件の違いで稼働率が大きく変わります。好立地の土地は確かに投資額も高くなりますが、売上が増えるだけではなく、利回りも好立地の土地が勝るというのがコインパーキングなのです。さらに、月極駐車場の場合の収益性とを比較すると、その差はより明確になります。月極駐車場の料金は地域による差はあるものの、その土地の利便性が料金に大きく繁栄されているわけではありません。

 コインパーキングというビジネスは土地の貸し方を変えるということで、駐車場ビジネスだけではなく不動産ビジネスに大きな変革をもたらしたと言えます。そして、いま、さらにその考え方を発展させようとしているのが、「民泊」ビジネスです。これまでは賃貸に適さないと考えられていた物件も、「民泊」であれば十分に活用可能な物件がたくさんあるはずです。コインパーキングの次は「民泊」が不動産投資のゲームチェンジャーとなりうる可能性は十分にあるのでは無いでしょうか。

 
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