マンションを購入するときには、周辺の物件価格を調べるなど、物件の相場にはとても敏感だったにもかかわらず、実際に購入してからは、物件価格には無頓着な人、案外たくさんおられます。実は物件の購入後も購入したマンションがどれくらいの価格で取引されているのか。そして、周辺の相場はどんなものなのかをある程度は把握しておく必要があるのです。
マンション価格が上昇している人気のエリアではこんなトラブルが増えています。面識の無い不動産仲介業者から連絡が入ります。「マンション価格が大きく値下がりしています。このまま持ち続けると、さらに価格が下落する可能性があるので今のうちに売却しませんか。当社では相場よりも高く買い取らせていただきますよ。」
これ、実は悪徳業者からのものなのです。人気エリアの優良物件をできるだけ安く買いたたいて、高値で転売しようという悪徳業者がいるのです。実は私が所有するマンションでも、悪徳業者が住民にダイレクトメールを送るなど積極的にアプローチを行っており、実際に口車に乗ってしまった方もおられます。マンション販売業者も、もはや放置できず所有者に盛んに注意喚起を行っているのが現状です。
多くの人はバブル崩壊後の不動産価格の下落を経験したことで、自分の持つマンションも大きく値下がりするのでは無いかという不安を抱えています。「マンションの価値がローン残高よりも低くなってしまったらどうしよう。」そんな不安に駆られる人が実際にはたくさんおられるのです。そのような不安につけこもうという、まさに悪徳商法です。
今やインターネットでいろいろな情報を簡単に入手することが可能です。勿論、不動産の情報も簡単に入手できます。自分が所有している物件がどれくらいの値段で売り出されているのか。どれくらいの価格で賃料設定が行われているのか。さらに周辺の同じような物件と比較して高いのか、安いのか。こうしたことが誰もが簡単に把握することができます。
不動産は購入して終わりではありません。何年も、何十年もそこで生活し続けることになるかも知れません。そして、それはあなたの大切な資産となるのです。だからこそ、その正当な価値を把握しておく必要があります。毎日でなくとも十分です。時々、こうした作業を行うことで、トラブルに巻き込まれる可能性はずっと少なくなるはずです。ましてや、あなたが所有しているのが投資用の賃貸マンションならなおさらです。所有不動産の価値を知ることがトラブルから身を守る第一歩になるはずです。