不動産投資と聞くと、多くの人は「ハードルが高い」という印象をお持ちでは無いでしょうか。先祖代々の土地にアパートなどを建てて賃料収入を得る。そんなイメージでしょうか。つまり、不動産投資を行う前提として生まれながらの地主で無ければならないという思い込みを多くの人が持っているのです。
「土地を持っていないから不動産投資なんて自分には関係の無いことだ。」本当にそうなのでしょうか。逆に先祖代々の土地を保有している人の立場で考えてみませんか。生まれながらにして土地を持っているというのは、確かにある面ではアドバンテージと言えるでしょう。しかし、その土地が必ずしも収益を生み出してくれる土地とは限りません。交通の便が悪かったり、土地の形状が悪かったり、開発が規制されている地域であったり、むしろ誰もがうらやむようなピカピカの土地を持っている人など、そう多くはありません。それにもかかわらず、毎年必ず固定資産税を払い続ける必要があります。そればかりか相続が発生すれば、大きな負担になったり、トラブルの原因になる可能性だってあります。
所有している土地を更地のままにしておけば、高額の相続税を支払わなければならなくなる。多くの地主をアパート経営や不動産活用に追い立てているのは、「相続税対策」というニーズです。必ずしも不動産経営のノウハウがあるわけでは無いのに、必ずしも好立地というわけでは無いのに、それでも何もしないよりはマシという消極的な理由から不動産投資を行っているという人がたくさんいるのです。
しかし、純粋にビジネスとして不動産投資を考えるなら、本当にこれは有利でしょうか。確かに先祖代々の土地を相続したなら、土地購入資金は必要ありません。しかし、自ずと立地を選ぶことは出来ません。不動産投資において、成否を大きく左右する要素のひとつが立地であることは言うまでもありません。立地条件を選ぶことが出来ない投資が不利であることは言うまでもありません。いま、有利な立地であっても、10年後、20年後にもその土地が優位性を保っているかもわかりません。新しい道路や鉄道によって人の流れが大きく変わってしまうことがあるからです。
もし、あなたが何のしがらみも無く、不動産を純粋に投資の対象として見ることができるのなら、自由に立地を選ぶことが可能です。場合によっては、将来は売却することを前提に物件を選ぶことだって可能です。これはビジネスにとって大きなアドバンテージではないでしょうか。実は不動産経営を行っている多くの人達が「相続」に縛られて不利な条件で不動産投資を行っているのです。いま、何も守るべきものが無いというのは不動産投資にとっては大きなメリットとなるはずです。