(画像=リビンマガジン Biz編集部撮影)
今日は「畳の日」だ。しかし、畳を冠した日は、実は年に2回あり、9月24日だけでなく、4月29日がその日として制定されている。これは住宅材・敷物としての畳の利点をPRすることを目的として、全国畳産業振興会によって制定されたもので、もともと9月24日は「清掃の日」に制定されていることが由来とされている。
畳と清掃といえば、かつて畳の目にそって雑巾がけをしたものだが、今の若者には通じない話かもしれない。
そもそも、今では畳の部屋が減っており、フローリングを床掃除するだけの人も多いだろう。
畳と同様に見かけなくなった住宅材として「障子」が挙げられる。
障子は和紙でできており、雨風に強く、光を遮断するという効果があることから使われていたが、今では障子を見ること減り、カーテンを使用するようになった。
障子紙を破った子どもが怒られるということがよくあったが、カーテンは簡単には破れない。子育て世帯にはカーテンの方がいいのは、事実かもしれない。しかし調湿性や保温性に優れる障子のメリットも忘れずにいたい。
集中力とリラックス効果を高める畳部屋のススメ
「畳の日」を制定した全国畳産業振興会が行なった調査がある。
福岡市内の学習塾に畳敷きの特別教室をつくり、小中学生約300名を対象に実験を行なったのだ。
畳敷きの特別教室と普通の教室でそれぞれ30分間、計算問題に取り組んでもらい、解答数(解いた問題数)と正解率を調べた。
その結果、普通の教室での解答数が平均129問に対し、畳敷きの特別教室では平均約145問で個人の伸び率が14.4%に上昇した。とくに小学5年生の解答率の伸びが大きく24.3%で中学1年生の解答率の伸びに比べて倍にもなった。正解率は普通の教室で88.5%、畳敷きの特別教室で90.4%とほぼ同じだったが、集中力には大きな差があることがわかった。
畳に使われる「い草」の香り成分には、バニラに含まれるバニリンや、樹木と同じフェトンをはじめリラックス効果をもたらす成分が含まれている。また、「い草」はスポンジのように小さい穴で構成された多孔質構造で、弾力性や吸放湿性、吸音性といった特性を生むだけでなく、NOxやホルムアルデヒドなど空気中の有害物質を吸着し減少させるというメリットがある。和室が落ち着くと感じるのは、この畳(い草)の効果と言えるだろう。
畳離れが進んでいるが、畳には様々な効能があるので家の中に1部屋だけでもあれば集中力を高めたい時、リラックスしたい時に有効なのかもしれない。