(画像=リビンマガジン Biz編集部撮影)
9月11日は「警察相談の日」だ。
警察の相談専用番号「♯9110」にちなんで、警視庁によって制定された。
警察相談専用番号である「#9110」は、犯罪や事故の発生ほど緊急度は高くないが、生活の安全や平穏が脅かされるおそれのある場合に利用する窓口だ。9月11日には、各地の警察署によってホームページ上やイベントを通してPR活動が行われている。
警察に通報する際の「110番」と「#9110」との違いは、その緊急度の高さである。「110番」は、今すぐ警察官に駆け付けてもらいたいような緊急の事件・事故などを受け付ける通報用電話だ。1年間の「110番」通報受理件数は900万件を超える。
しかし、いま問題となっているのが、緊急の対応を必要としないような各種照会や相談などの用件だ。実はそうした、入電が全体の約5分の1を占めているという。
このような用件で110番を利用すると、本来緊急を要する事件・事故への警察の対応を遅らせることにつながり、結果として多くの不利益を被ることとなる。
「110番」通報は年間約900万件あるのに対して、「#9110」への相談件数は年間約200万件となっている。「#9110」の利用は近年増加傾向にあるが、「110番」に比べるとまだ少なく、「110番」への誤報や緊急度の低い通報が多いことを考えると、さらなる認知の拡大が必要である。
急ぎではない相談については、警察相談専用電話「#9110」を利用することを、徹底していたい。
入居者にも「#9110」を周知してトラブルを未然に防ごう
では、実際に「#9110」に電話するとどういった対応があるのだろう。
まず、「警察安全相談員」と呼ばれる職員が、相談者のプライバシーの保護や心情などに配慮しながら対応してくれる。次に、相談内容に応じて、相談者への助言や指導、別の窓口や専門機関の紹介などの対処がなされる。
ここで、将来、相談者などに危害が生じるおそれがあると認められた場合には、相手方に対する指導や警告をし、さらに刑罰法令に抵触すると認められた場合には、捜査担当部門に引き継いで、被害届の受理、必要な捜査を行ったうえで、被疑者を検挙・補導するケースもある。
これはご近所トラブルなどがこじれた場合にも相談できる。また、賃貸住宅の入居者のなかにも、実はストーカーやDV、職場や近隣住民とのトラブルなどを抱えている人がいるかも知れない。警察相談専用番号「#9110」の周知を図ることは、大きなトラブルを未然に防ぐことにつながるはずだ。