(画像=リビンマガジン Biz編集部撮影)
9月9日は「救急の日」だ。
「救急の日」は、1982年に厚生労働省によって定められた記念日だ。「9(きゅう)9(きゅう)」の語呂合わせから、救急医療関係者の意識を高めるとともに、救急医療や救急業務に対する国民の正しい理解と認識を深めることを目的としている。
また、毎年9月9日を含む5日間程度は「救急医療週間」となっており、この期間には「救急の日」に関連したイベントが各地で開催される。例えば厚生労働省によるイベント「救急の日2018」は、関係省庁等と協力して開催し、救急医療に関する普及啓発のために、AED使用をはじめとする救急救命処置のシミュレーションなどが行われる。
人命に関わる緊急事態は、いつ起こるか分からない。救急車を呼んでからの待機時間にも、適切な応急手当ができるだけで状態も大きく変わる。いざという時のためにも、救急医療に関する正しい理解を深めることは重要なのだ。
また、救急医療や救急業務に対する正しい理解と認識がないことで、救急時以外の救急車の呼び出しが多発したことも、近年問題となった。軽症の場合の呼び出しや、タクシーがわりの利用は、本来の救急車の役割と反する。これにより、本当に救急を要する人に悪影響が出る可能性があることを忘れてはならない。
オーナーの安否確認
不動産のオーナーとしても、場合によっては人命救助に関わる即座の対応を求められることがある。それは「安否確認」である。入居者の関係者などから「部屋の中で倒れているかもしれない」という連絡を受けた場合は一大事だ。
安否確認はオーナー業の中でも最も緊張が走る場面の一つだが、資産を守り、入居者の安全を確認するためには避けて通ることはできない。家族や勤務先から「連絡が取れない」などの相談があった場合は他の業務の予定を変更してでも出動することになるだろう。
しかし、安否確認の結果は「単純に不在だった」ということや「部屋で寝ていた」という、特に問題ない事態 が9割以上で、実際に倒れていたケースは1割以下のようである。問題ない場合でも、警察官立ち合いのもと「人命救助のやむを得ない状態だったため」と説明することで、入居者からクレームが入った場合も納得してもらえることがほとんどだ。
とはいえ、実際に入居者が倒れてしまっているケースも、もちろんゼロではない。「救急の日」を契機にいま一度、救急救命への意識を高め、正しい理解を深めていこう。