(画像=リビンマガジン Biz編集部撮影)
9月4日は大阪にある「関西空港が開港した日」だ。
関西国際空港は、大阪府泉佐野市・泉南郡田尻町・泉南市にまたがる大阪湾内の人工島にある海上空港のことで、1994年のこの日に開港した。通称、「関西空港」や「関空」、「KIX(キックス)」の名前で親しまれている。世界で初めての「完全な人工島に作られた空港」で、日本で初めての「4,000m級複数滑走路」であり、騒音の影響も少ないため「完全24時間運用ができる空港(旅客・航空貨物両方)」としても有名だ。
成田国際空港や中部国際空港と並んで、「国際拠点空港」として位置付けられ、関西エアポート株式会社によって、大阪国際空港(伊丹空港)、神戸空港と併せて運営されている。旅客数・着陸回数は、国際線だけで見ると成田国際空港に次ぐ第2位となっており、関西随一の国際空港だと言えるだろう。
関西国際空港のある人工島の対岸には、空港関連施設が建つ「りんくうタウン」という埋立地があり、現在では「りんくうプレミアムアウトレット」をはじめ、ショッピングモールや医療センターなどが立ち並ぶ。
近年では格安航空会社(LCC)の拠点航空となることで、2016年に営業利益日本一を獲得。その収益は、460億円にも及んだ。
空港の騒音問題が起こす不動産価値への影響
大阪中心部からのアクセスも良い関西国際空港において、完全24時間営業が可能なのは、やはり立地によるところが大きい。陸地から離れた大阪湾の海上に空港を作ることで、地域住民もおらず、騒音問題を回避している。
航空機の飛行経路下の不動産については、不動産価値への影響は直接的な因果関係がないといわれている。しかし、全くの影響がないとは言えない。環境省が定める環境基本法第16条第1項の規定に基づく、騒音に係る環境基準は、夜間騒音65デシベル以下、昼間騒音70デシベル以下となっている。
飛行機の騒音は、高度によって異なるが、高度600メートルで74デシベル、高度300メートルで80デシベルにもなる。70デシベルといえば、電話のベルや騒々しい街頭と同等で、80デシベルは地下鉄や電車の車内と同等の騒音となる。
もし、所有の不動産が70〜80デシベルもの騒音が発生するエリアに入ってしまったら、騒音を忌避して購入したいというニーズが減る可能性は否めない。特に、木造一戸建ての物件や、二重サッシなど防音機能が備わっていない物件は、資産価値が著しく損なわれることが予想される。
空港が近くにある不動産を購入する場合は、騒音問題を意識する必要がある。