(画像=リビンマガジン Biz編集部撮影)
9月3日はホラー漫画家として有名な、楳図かずおの誕生日だ。
1936年のこの日、和歌山県伊都郡高野町に生まれた。今年で82歳だ(!))。漫画家としてデビューしたのは、19歳の頃。『週刊少年サンデー』などを中心に作品を発表し、人気を博した。代表作には、『「漂流教室』」や『「まことちゃん』」、『「おろち」』などがあり、近未来SF作品、ギャグ作品、ホラー作品など、幅広いジャンルの作品を生み出した。
1995年から現在にかけて、腱鞘炎のため執筆活動を休止。20代から着ているという赤いボーダー柄の服をトレードマークに、タレント活動を活発に行っている。独特の世界観の作品や、本人のキャラクターもあいまって、現在も幅広い世代で根強い人気がある人物である。
「まことちゃんハウス」が起こした、地域の景観問題
楳図かずおといえば、2007年に吉祥寺に建てられた自宅、通称「まことちゃんハウス」問題を思い起こす方も多いだろう。「景観を損なう」と、建設途中から近隣住民とされる2名から訴訟され、建物が完成した後も、外壁の撤去を求めて裁判が行われた。
当時問題となっていたのは、赤と白のストライプ柄に塗られた外壁や、物見塔のような突出部分だったが、結果として、楳図の勝訴で決着がついた。
この問題を通して、新しく物件を建てる時に気をつけたいのが「景観法」だ。この法律は2004年に交付、2005年に全面執行されたものだ。
景観法の目的として、第1条には下記のように記されている。
「この法律は、日本の都市、農山漁村等における良好な景観の形成を促進するため、景観計画の策定その他の施策を総合的に講ずることにより、美しく風格のある国土の形成、潤いのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図り、もって国民生活の向上並びに国民経済及び地域社会の健全な発展に寄与することを目的とする」
なかでも重要なのが「景観地区」の存在だ。景観地区内では、規制の範囲が多岐にわたる。建築物のデザインや色、高さなども、街の景観を維持するための都市計画に適合するものである必要がある。
そういった強制力や制約の強いエリアに物件を建てる場合は、トラブルを避けるためにも、事前に地区内の景観の基準を知り、基準の範囲内の外観を設計しなければいけない。個性的な物件を建てたい方にとっては、気をつけなければいけない問題だ。
(敬称略)