(画像=リビンマガジン Biz編集部撮影)
1999年8月30日は歌手の郷ひろみが渋谷駅前のハチ公前交差点でゲリラライブを行った日だ。ゲリラライブが開催されたのは、今から19年前のこの日17時15分ごろのことだった。
渋谷スクランブル交差点に1台の大型トラックがとまると、荷台が開き、即席の野外ステージに変わった。そこで郷ひろみが熱唱したのは、大ヒット曲「GOLDFINGER′99」。リッキー・マーティンの「リヴィン・ラ・ヴィダ・ロカ」のカヴァー曲だ。5分程度の短いパフォーマンスだったにも関わらず、交差点には人が押し寄せ、渋谷の交通は麻痺状態に陥った。
しかし、このゲリラライブは、事前にマスコミに告知されていたにも関わらず、警察には無届けで行われていた。そのため、郷が所属するレコード会社の関係者ら6人が道路交通法違反容疑で書類送検され、郷自身も聴取を受けた。その後、レコード会社のプロデューサーには懲役3ヶ月、執行猶予2年の判決が下されるまでの事態に発展してしまったのだ。
再開発で渋谷の街はどう変わる?
郷ひろみがゲリラライブを行った1999年、渋谷の街は現在と違い、駅前には東急文化会館があり、プラネタリウムも設置されていた。東急文化会館は2003年に閉館し解体され、2012年に跡地に渋谷ヒカリエが誕生したことは記憶に新しい。
現在渋谷では、「渋谷スクランブルスクエア」「渋谷ストリーム」「渋谷ブリッジ」「道玄坂一丁目駅前地区」「南平台プロジェクト」「渋谷駅桜丘地区」の6つの再開発プロジェクトが進行中だ。9月13日開業予定の「渋谷ストリーム」と「渋谷ブリッジ」からはじまり、2027年にかけて順次竣工・開業される予定である。
街全体がリニューアルされる大規模な渋谷再開発は、動線の改良や、防災機能の強化、遊歩道や川の再生など、人々がより利用しやすい街づくりを目指している。また、渋谷といえば、若者の街というイメージがあるが、道玄坂一丁目駅前地区に入る商業施設を「東急プラザ渋谷」とし、中高年層の大人をターゲットとしたスポットもできるようだ。
現在、2020年の夏季オリンピックに向けて、ますます人が集まることが予想される渋谷の街。混雑や災害など不安材料はあるものの、再開発によって多様なライフスタイルを持った、国内外の老若男女があつまる最先端の街として、より一層発展することを期待したい。
(敬称略)