(画像=リビンマガジン Biz編集部撮影)
かつて、イタリア・ナポリ近郊にあった古代都市「ポンペイ」。8月24日は、ローマ帝国の街・ポンペイが、火山の噴火により消滅した日だ。
ポンペイという街は、ローマ人がレジャーを楽しむ場所として栄えた。ポンペイにあるヴェスヴィオ火山が噴火したのは、西暦79年のこの日の昼過ぎのことだった。突然の噴火によって、一昼夜火山灰が降り続いた。さらに12時間後には、高温の噴出物が高速で流れ下る、火砕流という現象が起こり、街全体が地中に埋もれたのだ。
当時、ポンペイの街には2万人の市民が住んでいたと言われ、火砕流が起きる前に多くの人がローマへ逃れたが、街に留まり逃げ遅れた2千人が火砕流など火山被害の犠牲になったという。火砕流の速度は、なんと時速100km以上もあり、人の足では到底逃げ切れるものではなかった。そのため、ほとんどの人や動物が生き埋めとなった。
さらに、噴火により有毒ガスも発生し、救助に訪れた博物学者、ガイウス・プリニウス・セクンドゥス(大プリニウス)が亡くなったという記述も残されている。
その後、街は再建されることはなく、まさにエドワード・ブルワー=リットンが著した歴史小説のタイトル通り、「ポンペイ最後の日」となったのだ。
意外と深刻!富士山噴火による不動産への影響の可能性
地震や火山、津波など、イタリアと同様に日本も自然災害が多い国だ。
日本の富士山も、いつ噴火がおこってもおかしくないと言われている。
もし、日本で最大の火山である富士山が噴火した場合、不動産にどのような影響があるのだろうか。
まず、周辺地域の不動産の危険として、噴石が吹き飛ぶことによる建物の破壊、火砕流によって建物が飲み込まれる。高温の溶岩流によって火災が起こるといった可能性があげられる。
一方、火山灰は広範囲で被害をもたらす。屋根に降り積もった火山灰が家屋を押しつぶす、上下水道の汚染や詰まり、停電、電子機器の故障などが起これば、不動産にもさまざまな影響を及ぼすだろう。たとえ被害が軽微なものであっても、火山灰が建物に降り積もれば、外壁のクリーニングも必要だ。
このように、日本で富士山が噴火すれば、不動産だけではなく、日本の経済にも大きな影響を及ぼすことがわかる。そうとなれば、不動産事情も大きく変わるかもしれない。今後、起こりうる富士山噴火に備えて、早い段階で対策を考える必要がありそうだ。