(画像=リビンマガジン Biz編集部撮影)
「日光」という名前の由来にもなったのが、820年(弘仁11年)7月26日のこと。弘法大師が日光山と命名した。いまでは栃木県どころか、北関東でも有数の観光地として知られている。
元々は二荒山(ふたらさん)と呼ばれていたのだが、二荒山に登った弘法大師(空海)が目の前に広がった美しい風景に感動して「二荒」を「にこう」と音読みにし、「日光山」(にっこうさん)という漢字をつけたといわれている。
二荒山はどこにある山なのかというと、実は中禅寺湖の北に位置する男体山(なんたいさん)の別名なのである。男体山には二荒山神社の奥宮がある。
二荒山神社は日光東照宮の隣に位置し、日光山信仰の礎を築いたともいえる神社だ。元々、二荒山は782年(延暦元年)に勝道(じょうどう)上人によって開かれた山とされ、そのときは観音菩薩が降臨するといわれる伝説の山の名前、補陀洛山(ふだらくさん)と名付けられたものが、訛って二荒山になったといわれている由緒正しい山だ。
この二荒山を御神体として祀ったのが二荒山神社で、古くから信仰を集めていた。二荒山神社の主祭神は招福や縁結びの神である、大己貴命(おおなむちのみこと)が祀られており、現在では縁結びの神社として、またパワースポットとしても人気を集めている。
また、日光山内の入り口にある鮮やかな朱塗りの美しい木造橋「神橋」は、二荒山神社の建造物。世界遺産「日光の社寺」の玄関ともいうべき橋だ。「日光の社寺」とは、二荒山神社、東照宮、輪王寺の103棟(国宝9棟、重要文化財94棟)からなる「建造物群」と、それら建造物群を取り巻く「遺跡(文化的景観)」のことだ。空海をも魅了し、「日光」名付けられた二荒山は、時を重ねながら、人々の厚い信仰心に守られながら、日本が世界に誇る場所のひとつになった。
世界文化遺産の街、日光の土地公示価格を見る
ちなみに日光市内で地価公示価格が最も高い場所は、東武日光駅の目の前にある松原町10番6で、1坪あたり15.8万円だ。最も安い場所は東武日光駅から6km離れた場所で、二荒山神社といろは坂の中間あたりにある清滝1-9-14で、1坪あたり4.9万円。東武日光駅付近との差は約3.2倍。
日光の魅力は、場所によって異なる雰囲気を楽しめることだ。
歴史ある寺社巡りを楽しんだ後は、戦場ヶ原に中禅寺湖、華厳の滝、男体山などの大自然にも触れ、ゆったりと温泉でくつろぐ。見どころが盛りだくさんで、とても1日では時間が足りないだろう。