(画像=リビンマガジン Biz編集部撮影)
1957年(昭和32年)7月21日に「自然公園法」が制定された。これは豊かな自然を保護すると共に、自然に親しむことで健康やリフレッシュのために役立てることを目的に作られたものだ。自然公園法には公園内での禁止事項などについても細かく記されており、改めて自然の中でのマナーについても考えさせられる内容になっている。
自然公園法制定後は自然が果たす役割に対する理解を深め、自然保護と人々の心身の健康やリフレッシュを目的としたイベントが各省庁で行われている。
環境省は1950年(昭和25年)から毎年7月21日~8月20日を「自然に親しむ運動」期間としており、各都道府県などと連携して全国の自然公園や景勝地でエコツアーやハイキング、自然観察会といった自然と親しむことができるようなイベントを開催している。
一方、国土交通省と林野庁では、1987年(昭和62年)から7月21日~31日を「森と湖に親しむ旬間」としている。こちらは森林や湖に親しむことにより、心身をリフレッシュしながら森林やダムが果たしている役割について理解を深めることを目的にイベントを開催している。
自然公園は、環境大臣が指定した国立公園・国定公園のほか、都道府県知事が指定する都道府県立自然公園がある。
国立公園は環境省が管理し、国定公園・都道府県立自然公園は都道府県が管理している。2010年(平成22年)4月の統計によると、国立公園は29ヶ所、国定公園は56ヶ所、都道府県立自然公園は312ヶ所が指定されていて、総面積は日本の国土の約14%を占めている。
ちなみに、意外にも東京都はなんと36%を占めていて、自然豊かな一面を垣間見ることもできる。
東京にある自然公園に抱かれた地域の暮らしを見てみよう
東京都立高尾陣場自然公園、神奈川県立陣馬相模湖自然公園に指定されている陣馬山を見てみよう。陣馬山は八王子市と神奈川県相模原市との境にある標高855mの山で、関東の富士見百景、神奈川の景勝50選、八王子八十八景にも選ばれている。陣馬山頂からは名峰富士山をはじめ見事な眺望が楽しめる。山頂にある3軒の茶屋は年間を通して土日祝日には登山やトレイルランニングをする人などで賑わっている。
また、麓には陣谷温泉があり、日帰り利用もできるため、登山で疲れた体を癒してくれる。
陣馬山登山口へは京王線またはJR高尾駅北口から「陣馬高原下」行きバスに乗車して、終点で下車(所要時間 約40分)。またはJR中央本線藤野駅から2kmほど歩けばまた別の登山口に到着する。
この2kmの間には多くの民家があり、登山とは関係ない日常生活を送る住民の暮らしを感じることができる。それもそのはず、藤野駅からは東京都心にも1時間ほどでアクセスできるのだ。そのため、のどかな山里のような雰囲気を楽しみつつ、都心へ通勤することも十分可能だ。