(画像=リビンマガジン Biz編集部撮影)
1969年7月16日は、世界初の有人宇宙船「アポロ11号」が打ち上げられた日だ。
アポロ11号が打ち上げられた背景には、アメリカとソビエト連邦(ソ連)の冷戦があった。超大国間で緊張状態が続く中、国家のプライドと軍事的な優位性を誇示するために、両国は有人宇宙飛行を競い合っていた。
最初に有人宇宙飛行を成功させたのはソ連だ。
1961年、宇宙船ボストークに乗ったユーリ・ガガーリンが人類で初めて宇宙に出た人物で、帰還後に発言した「地球は青かった」の名言はあまりにも有名だ。一方、ソ連に大きく遅れを取ったアメリカは、1960年代が終わるまでの間に、人類を月へ送り無事に帰還させる「アポロ計画」を立ち上げ、巨額の予算をつぎ込んだ。
こうして11回の実験を経て、12回目でついにアポロ11号の有人月面着陸に成功した。船長のニール・アームストロングを含む3人の宇宙飛行士が月面着陸した様子は、世界中にテレビ中継され、ついに月への宇宙旅行が成功したと人々を歓喜させたのだ。
ところで「月への旅行」といえば、有名な『月世界旅行』という小説がある。これは1865年にフランス人作家のジュール・ヴェルヌが書いた作品で、1902年にはジョルジュ・メリエスが監督し、無声映画として公開された。作品を見ると、当時の人々が月に「月人」がいることや、地球と同じように気候があると想像していたことがわかる。
このように、人類の月旅行の夢は古くからある。今では月周回旅行も計画され、2018年中に民間人2人を乗せて実現させる予定だという。アポロ着陸後半世紀近く経った現在も、その夢は続いているのだ。
月の土地は買える!?
我々にとって日常的に意識することの多い身近な天体である月。その月の土地を、購入できるのをご存知だろうか。この地球圏外の不動産業に取り組むのは、アメリカ人のデニス・ホープだ。1967年に発効した宇宙条約によると、天体を国家が所有することは禁じられているが、個人が月を所有してはならないと言及されていなかったそうだ。そこに注目したホープは月の不動産ビジネスを展開。現在も合法的に月の土地の販売と権利書の発行を行っている。
現実的な土地活用や不動産運用には頭を悩まされるものだが、たまには地球外の土地に夢を馳せてみるのも良いかもしれない。
(敬称略)