新宿にある東京都庁 (画像=リビンマガジン Biz編集部撮影)
日本の首都である「東京都」が生まれたのは、1943年の7月1日のことだ。この日にちなみ「東京都政記念日」が制定された。
東京“都“の歴史は75年と実は100年にも満たない。1868年に江戸幕府が幕を閉じ「江戸」を「東京」と名前をあらためてから1943年までの75年間は「東京府」という名前だった。さらに1889年からは府内にある15区(麹町区、神田区、日本橋区、京橋区、芝区、麻布区、赤坂区、四谷区、牛込区、小石川区、本郷区、下谷区、浅草区、本所区、深川区)が東京府から分かれ、それらの区域を統括する「東京市」ができた。
関東大震災があった1923年以降には東京市外に移り住む人が増え、市外の都市化も進んだ。これにより、1932年には新たに品川区、荏原区、目黒区、大森区、蒲田区、世田谷区、渋谷区、淀橋区、中野区、杉並区、豊島区、滝野川区、荒川区、王子区、板橋区、足立区、向島区、城東区、葛飾区、江戸川区の20区が設置され、35区の大東京市となった。
東京が1943年に「府」や「市」を廃して「東京都」に変わった理由は、二重行政問題の解消と、戦時下での体制強化のためだ。一方、都政が始まったものの、区は35区のままだった。現在の23区に再編成されたのは、終戦後のことで、人口が激減したためだった。こうして、23区、26市、5町、8村で構成される現在の東京都となったのだ。
都政の中心・新宿は住みやすい街
東京都は今では2018年4月時点で区内に約950万人が住み、都内全体では1,370万人以上と、23区以外の地域にも多くの人が暮らす大都市となった。都政の中心はもちろん都庁であるが、かつての都庁は丸の内にあった。そこから1991年に移転し、新宿区西新宿2丁目に東京都庁が完成。第一本庁舎、第二本庁舎ともに、建築家の丹下健三が設計したことはあまりに有名だ。
都庁がある西新宿エリアは「オフィス街」というイメージが強いが、北側に行けば住宅用の不動産も思いのほか多い。スーパーや子どもが遊べる公園などは少ないため、ファミリーよりも単身向けの物件がメインだが、歩いて10~15分程度で新宿駅まで到着でき、終電後も歩いて帰ることができるというのは魅力的だ。実際に、リクルートSUUMO発表の住みたい街ランキングでも総合7位にランクしており、人気を裏付けている。
家賃が高いイメージもあるが、新宿駅から少し離れ、中野区側に行けば手の届きやすい価格となる。新宿の西側に住まいを見つければ「東京」の中心にいるような気分を味わえるかもしれない。
(敬称略)