(画像=リビンマガジン Biz編集部撮影)
1905(明治38)年6月30日、ドイツ人で当時スイス連邦特許局に所属する無名の技師であったアインシュタインは、ドイツの物理雑誌『アナーレン・デル・フィジーク』に相対性理論についての最初の論文「運動物体の電気力学について」を提出した。後に現代科学に大きな影響を与える理論が世に出た日を、アインシュタイン記念日として記憶されている。
相対性理論は、光の速度の不変性や、物理法則は同じ形で表さなければならないという二つの原理に基づいた理論だ。目には見えないものに関する理論だが、現代物理学の基本となっている重要な理論だ。あまりにも有名な理論のため、詳しい解説は省くとする。筆者の科学知識を疑うのはやめてほしい。
アインシュタインは親日家として知られている。1922年(大正11年)11月17日にアインシュタインはベルリンから数カ月もの時間をかけて日本郵船所有の船舶・北の丸に乗って日本にやってきている。瀬戸内海を通過し、神戸港に入港したのだという。
「私の好奇心が最高潮に達したのは、「北野丸」が日本の海峡を進むとき、朝日に照らされた無数のすばらしい緑の島々を見た時でした。」(『アインシュタイン日本で相対論を語る』アルバート・アインシュタイン/著 杉元賢治/翻訳 講談社)
そんなアインシュタインは、瀬戸内海に浮かぶ島々の美しさだけではなく、富士山や京都御所などさまざまな場所で感動し、数々の称賛の言葉を残している。
日本国民は、相対性理論についての講演をするために日本にやってきた「天才物理学者」であるアインシュタインを熱狂的に歓迎した。あまりの熱烈な歓迎ぶりに、アインシュタインは驚き、心から喜んだといわれている。日本人の素直さ、純粋さ、優しさ、奥ゆかしさ。西洋人と異なる考え方や人間性を持っていた日本人は、アインシュタインを大いに魅了したようだ。
ところで、アインシュタインを魅了した瀬戸内海の島々は、いくつあるのだろうか。その前に、「島」とはどのようなものをいうのだろうか。
不動産としての「島の定義」
・水で完全に囲まれた陸地
・自然に形成された陸地であって、水に囲まれ高潮時も水面上にあるもの
・四面水に囲まれた小陸地
・周囲を海、湖などの水域で完全に囲まれた陸地
などと定義される。瀬戸内海には、この基準で見て外周が0.1km以上ある島は727個あるそうだ。(昭和61年海上保安庁調査による)外周が0.1km以下の島も合わせると、さらに多くの島々が浮かんでいる。
ちなみに、この瀬戸内海に面した和歌山県に、購入可能な島があるのだという。白い砂浜がある美しい無人島で、面積は3,384㎡(1,023坪)で販売価格は150,000,000円だそうだ。島を丸ごと独り占めとはなんとも贅沢だが、船で気軽に遊びにいける日帰りツアーなども多数ある。アインシュタインを魅了した美しい島々を見に瀬戸内海を訪れてみるのも良いだろう。
ちなみに不動産ビジネスにおいても島の売買は、頻繁とはいえないが、確かに行われている。しかし、船着き場を持たない無人島が多いため、不動産価値の鑑定や敷地境界の確定だけでも膨大なコストがかかるため、昨今、問題視されている所有者不明になっているものも多数あるという。
「無人島を購入して冒険する」という夢は子どもなら一度は夢見た話しではあるが、大人の現実とは少し違うようだ。