(画像=リビンマガジン Biz編集部撮影)
佃煮の発祥の地である現在の東京都中央区佃。当地にある住吉神社が建立されたのが正保3年(1646年)の6月29日であることにちなんで、全国調理食品工業協同組合が2004年に制定した。
佃島は正保元年(1644年)に隅田川の河口付近を埋め立てて作られたエリアで、その後も震災や戦禍を逃れた地域のため、江戸時代の情景をそのまま切り取ったような、どこか懐かしい風景が残るエリアだ。現在は、近傍に高層マンションがズラリと建ち並んでおり、その風景のアンバランスさが佃の魅力ともいわれている。
佃煮の歴史
佃煮の歴史は江戸時代にまで遡る。徳川家康が江戸に入来した際、関西の佃村に住んでいた漁民たちを江戸に呼び、漁業権を与えた。彼らは自らの故郷と同じ「佃」という地名をつけ、同じく信仰していた住吉神社を分社して遷座したという。
そんな漁民たちは江戸前で漁をして捕れた小魚や貝類、海藻類などを甘辛い味付けに煮て食べていたという。売り物にもならないような小魚などを調理し、保存食として食べていたのだ。今で言うところの「まかない料理」のような感覚だ。これが安くて日持ちもすると話題になり、やがて全国に広まったのだという。
今でも佃島には情緒溢れる佃煮屋があり、美味しくて手軽なご飯のお供として、お土産に買い求める人が多い。
街の人気と地価は比例する!?
佃エリアは隅田川と東京湾に囲まれたような場所に位置する。銀座や豊洲にも近く、商業施設や高層マンションなども立ち並ぶ人気のエリアにも囲まれている。そんな中にあっても江戸の下町らしさが残っているというのは大変貴重で、人気を一層際立たせているともいえるだろう。
佃エリアの駅といえば東京メトロ有楽町線の月島駅だ。ちなみに全国の駅周辺の地価のランキングでは5,122駅中131位で1坪あたり395.5万円だという。東京都の平均地価よりも若干安かった月島エリアだが、2013年あたりから上昇し始め、今では東京都の平均地価よりも高額エリアになっている。徐々に地価も人気もアップしてきているようだ。
江戸時代からタイムスリップしてきたような町並みをのんびりと歩き、江戸時代から続く食文化である佃煮を堪能してみるのも良いだろう。