(画像=リビンマガジン Biz編集部撮影)
今からおよそ160年前の1859年6月28日(旧暦安政6年5月28日)、徳川幕府がアメリカ、イギリス、フランス、ロシア、オランダの5カ国との間で結んだ通商条約に基づいて、横浜、長崎、箱館(函館)の3つの港で自由貿易の開始を布告した。
1853年のペリー来航から、幕府では鎖国から開国へと転換を図られていた。しかし時の天皇である孝明天皇の許しを得ることなく、この条約を結んだ大老の井伊直弼は、その後尊王攘夷派らの反対を受けたが、これを徹底的に弾圧した。これがいわゆる「安政の大獄」の始まりだ。しかし、この弾圧は多くの遺恨を残すことになり、井伊直弼は「桜田門外の変」で水戸藩の浪士たちによって暗殺された。
開国を求める波が押し寄せる中、幕府を中心に大きな戸惑いや恐怖、また自国を守ろうとする意識などからこれを退けようとする勢力がある一方で、新しい時代の到来を感じ、その可能性や希望を持つ者たちとの間で大きく揺れ動き、多大な犠牲を払った。そしてようやく、開国へと進んでいったのである。
ちなみに1867年(慶応3年)の長崎港の輸出入のデータを見てみると輸出品はお茶、石炭、人参、ロウ、昆布など。一方、輸入品は幕府や各藩が買い集めていた戦艦や火器など。また、綿や毛などの織物だったと伝えられている。
そして横浜、長崎、箱館(函館)の3つの港のうち、輸出入ともに圧倒的に機能していたのは横浜であった。これはやはり、江戸にも近く輸出品の産地が近いというところが関係している。
日本を代表手する貿易港横浜の不動産価値とは
このように昔から貿易が盛んに行われて栄えていた横浜の現在は、最も土地公示価格が高いのが横浜市西区。横浜駅の近くに位置するエリアだ。最高額は横浜駅から徒歩1分にある横浜市西区南幸1-3-1。1坪あたりなんと、4,033.1万円。横浜駅周辺はホテルや商業施設、オフィスビルなどが建ち並び多くの人が行き交う大都市だ。人気のみなとみらいや山下公園など海が見えるエリアなども近く、今でもどこか異国情緒漂う街でもある。
開国、そして貿易という新たな一歩を踏み出すまでには多くの苦難を乗り越えてきた日本。そんな江戸時代からの歴史を感じながら、たまには港街を散策してみるのも良いだろう。