(画像=リビンマガジン Biz編集部撮影)
健康住宅推進協議会(現在の日本健康住宅協会)が制定した。
湿度が上がりジメジメするこの時期。カビをはじめとした様々な健康被害が懸念される梅雨の時期ということで6月20日を選んだのだという。
2002年に建築基準法が改正され2種類の化学物質の使用が禁止、もしくは制限されることとなった。使用が禁止されたのはシロアリ駆除剤などに含まれるクロルピリホス。また、使用が制限された物質は合板や壁紙の接着剤として使用されていたホルムアルデヒドだ。
特にホルムアルデヒドはそれまで住宅建材や家具などに広く使用されていたため、室内に放出される化学物質によって起こるシックハウス症候群が問題になっていた。住宅が原因とみられる、謎の体調不良が長く続くなどの症状が全国で報告された。
中でも、子どもに症状が出ることが多く、一般ニュースでも大きく報じられることになり、国も動いたのだ。他にもトルエンやキシレンなどの化学物質についても使用の規制について検討すべきと国土交通省は指摘している。このような状況の中でハウジングメーカーや建材メーカーなどにも健康を考慮した素材を使用することが求められるようになってきた。
今まで目に見えないだけに、気にすることさえもなかった部分。消費者は、このようにさまざまな情報から、やっと家や家具などの素材にまで目を向けることができるようになったというわけだ。
家を選ぶときの基準も見た目から、性能へ
こうした事例が広く知られるようになってからも、住宅を選ぶとき、まず気になるのはデザインや間取り、価格などの目に見えるものなのではないだろうか。しかし、本当に重要なのは住まいを通じて、どんな生活ができるかである。健康に影響を与えるような建材は極力排した住宅を選ぶできだろう。
前にも述べたシックハウス症候群の主な症状は、目や喉の痛み、めまい、頭痛、吐き気、息苦しさなどだ。家は本来、心身ともに安心してくつろぐことができる場所でなければならない。家が原因で健康被害が出るようなことは決してあってはならないことだ。
そうした消費者側のニーズをくみ取り、このようなシックハウス症候群を発症しないように考慮された家などが「健康住宅」として売り出されており、目にする機会も多くなった。最近では天然素材や体に優しい建材が注目され、壁や床材などに積極的に取り入れているという人も多く、健康住宅に対する意識の高まりを感じる。
毎日暮らす家は、何よりも安全で健やかに暮らせる家であってほしい。