(画像=リビンマガジン Biz編集部撮影)
料理、手洗い、洗濯、風呂など、生活に欠かせない「水」。水道の蛇口をひねれば、常に安全な水が出てくることが当たり前になっているが世界に目を向けると、日本のように水道水が飲める国は数少ない。
6月6日「飲み水の日」だ。「飲み水の日」は、前日5日の「世界環境デー」にちなんで1990年に東京都薬剤師会公衆衛生委員会が制定したという。せっかくなので普段何気なく飲んでいる安全な水について考えてみよう。
東京都の年間取水量の4分の3を占めるのは、利根川水系といわれている。
利根川の水源地は、新潟県と群馬県の県境に位置する大水上山で、関東地方の北西から、南東の千葉県銚子市へ向かって流れている。流域面積で日本一、長さでも日本で2番目を誇る川で、水道水のみならず、工業用水、農業用水、雑用水にも利用され、首都圏に住む人々の豊かな暮らしを支えている。
東京都の水道水の水源は、ほとんどが河川の水を利用している。かつては多摩川水系に水源の大多数を頼ってきたが、人口の急速な増加に伴い、1964年には荒川水系、1965年には利根川水系を加え、増え続ける水道水の需要に対応してきた。今では、主要水源だった多摩川水系の水源量は約2割にまで減っている。
そもそも、水道水がどのように作られるのか辿ってみよう。水源地の山や森の地面に溜め込まれた雨水が、川へ流れ込み、周辺の川と合流しながら大きな川へとなっていく。雨が多い時期になると川が氾濫し、雨が少ない時期になると水量が減ってしまう。そこで、水を貯えながら川の流れを調整し、水量を安定させるダムや堰の施設が重要になる。ダムに貯えられた水は浄水場に送られ、浄水処理が行われて安全な飲み水が配水管、給水管を通して各家庭に供給されていく。
水の処理方法も大きく分けて4つあり、急速ろ過、緩速ろ過、膜ろ過、消毒のみという方法がある。浄水施設は東京都に12か所あり、金町浄水場、朝霞浄水場などの大規模な浄水場が、急速ろ過方法を採用している。急速ろ過は、薬剤で水の濁りを凝集させて取り除いてからろ過をする方法で、濁った河川の水も処理することができるものだ。
このようにさまざまな過程を経て、われわれは水道の水を安全に飲めているが、やはり大切なのは、河川の水質をきれいに保つことだと言えるだろう。
水回りが不満の種
さて、生活になくてはならない水について書いてきたが、家の中でも毎日つかうだけに水回りに対する不満は大きい。リビン総研による調べでは、家の中でリフォームしたい場所として水回りと答える人が多かった。
1位は『キッチン』48.9%、2位『バスルーム』43.1%、3位『トイレ』37.9%となった。水汚れは目立つため、清潔で新しいものに取り替えたいニーズが高まるという。
こうしたニーズを受けて、住宅のリフォーム市場が急拡大中だ。不動産会社のなかでもリフォーム提案舞台を新たに作る動きが活発になっている。