(画像=リビンマガジン Biz編集部撮影)
世界禁煙デー(せかいきんえんデー、World No-Tobacco Day)は、世界的に禁煙を推進するための記念日だ。毎年5月31日を世界禁煙デーとして、国際的に禁煙を呼びかけている。
1987年、世界保健機関 (WHO)の決議によって制定されたもので、はじめは世界保健機関 (WHO)設立40周年を迎えるタイミングの1988年4月7日を「第1回世界禁煙デー」とすると定められた。1988年に採択された決議WHA42.19で世界禁煙デーを毎年5月31日とすることが決まり、翌年の1989年以降は毎年5月31日に実施されている。
この日は、禁煙マークをプリントしたTシャツを着るというマラソン大会を開いたり、さまざまなイベントを開催したりしてタバコの害について考えるきっかけをつくっている。2015年時点で世界の喫煙者は9億3,300万人という調査結果が出ているそうだが、調査が不可能である地域の喫煙者数などを加味すると、すでに10億人を上回っている可能性もある。毎年世界でおよそ300万人の人が喫煙を原因とするがんや心臓病などの疾患で亡くなっており、このままの状況が続けば2030年代初頭には喫煙による死亡者が年間1000万人に達するとWHOは警告している。
また、深刻なのは喫煙者本人だけではなく、喫煙者の周辺にいる人たちまでが自分の意思と無関係にタバコの煙を吸い込んでしまうことだ。
タバコの煙には、喫煙者本人が吸う「主流煙」と火がついたタバコの先から出る「副流煙」に分けられる。厄介なことに、主流煙と比較して副流煙にはニコチンが2.8倍、タールが3.4倍、一酸化炭素が4.7倍も含まれているという。このように有害なタバコの煙を自分の意思と関係なく吸い込んでしまうことを「受動喫煙」という。
受動喫煙によって、ガン、脳卒中、心筋梗塞、呼吸器疾患などのリスクが高くなるということが指摘されている。受動喫煙がきっかけとなる死者も毎年世界で60万人ともいわれており、問題となっている。
たとえば飲食店などで分煙されていたとしても、やはり喫煙エリアが密閉されていないと臭いが気になるという経験がある方も多いのではないだろうか。食事中やカフェでの休憩中など、喫煙者以外は、タバコの煙を迷惑だと思う人が多い。そのため「全席禁煙」という飲食店も増えつつある。
(画像=リビンマガジン Biz編集部撮影 豊島区南池袋公園:公園内は全面禁煙)
近頃では、喫煙者も職場や家庭でも喫煙に関して気を遣っているという方が増えている。また、各自治体でも公園など公共施設などに関して、全面禁煙にする動きが出始めている。
喫煙者は自宅売却でもマイナス
最近では、自宅の中でもタバコを禁止されている人も少なくない。そうした人はベランダでタバコをふかす姿から、ホタル族などと揶揄する向きもある。確かに、暗がりに浮かぶタバコの火がホタルのようで、一人さみしく紫煙をくゆらすさまは哀愁ある言葉が似合う。
しかし、ベランダの煙は他の部屋に流れていくわけで、「家族にも吸わせない副流煙を他人に吸わせるな」とトラブルの温床になっている。中には規約でベランダでの喫煙を禁止するマンションもあるらしい。
喫煙は、自宅を売却する時に資産価値にも影響がある。長期にわたる喫煙があれば、壁紙の交換やハウスクリーニングに費用がかかるため、厳しく査定される。また、喫煙者の住んでいた家は絶対に嫌だという人もいるため、購入者に制限がかかる。
(参考記事:リンク)
/column/sumaistarmagazine/22961/この日をきっかけに、自分や大切な家族、友人、同僚などのために禁煙を決意するのも良いだろう。