10月6日は建築家「ル・コルビジェの生まれた日」である。
近代建築3大巨匠の一人と称されるル・コルビジェは1887年の本日、生まれた。
フランスで活動していたル・コルビジェは、20世紀初頭から伝統に縛られない建築スタイルを打ち出し注目された。
やがてそのスタイルは、モダニズム建築と呼ばれる動きになり、ル・コルビジェはその中心人物となった。
「住宅は住むための機械である」という自身の言葉の通り、コンクリートを使った建築法により、自由な発想で機能的な建築物を設計していく。
ル・コルビジェの写真集 (画像=Photos For Class)
2016年には、ル・コルビジェが手掛けた作品群が世界遺産に登録された。
世界各国に跨る17の建築物で構成されており、その中には、東京・上野にある国立西洋美術館も含まれている。
世界遺産がいくつもの大陸に点在する状態で認定されたのは、これが初めてである。
ル・コルビジェは建物だけでなく、都市計画も発表している。
1935年に『輝く都市』という都市構想を提唱し、20世紀の都市計画に多大な影響を与えた。
『輝く都市』の内容はこうだ。
「住居」「労働」「余暇」「交通」という機能を地域ごとに分ける。
建物の高層化し、空き地を確保し、そこに緑地や歩道を整備する。
交通は、鉄道が廃れていくことを見越し、短距離の移動は自動車に、長距離の移動は飛行機に担わせる。
自動車用の交通網が発達し、大小の建築物に関係なく道路が続く街を考えたのだ。
ル・コルビジェが記した都市構想は、発表当時は受け入れられることはなかった。
しかし、アメリカや日本は、これに倣い、今では世界中で当たり前の光景になっている。
ル・コルビジェが都市計画を行ったチャンディーガルの議事堂 (画像=URBANPLANET)
改めて言うが、この『輝く都市』を発表したのは1935年である。
先見の明どころか、未来を見通していたと思ってしまうほど、その構想は現実のものになった。
世界遺産に登録された作品群の中には、ル・コルビジェが計画をおこなった、インドのチャンディーガルという都市も含まれている。
敬称略