10月4日はテレビ番組「『笑っていいとも!』が放送開始した日」だ。

かつて「お昼の顔」として、32年続いた国民的番組『笑っていいとも!』は1982年の本日、放送開始した。

『笑っていいとも!』の収録が行われていたスタジオアルタ (画像=フォトック)

『笑っていいとも!』といえば、「単独司会者の生放送の長寿記録」としてギネス記録に認定されたり、25年連続して放送同時間帯の民放年間視聴率トップを獲得したり、言わずと知れた国民的番組である。タモリ自身も国民的司会者と呼ばれているが、番組開始当初は、そのように呼ばれるには程遠かった。

『笑っていいとも!』は、B&Bやツービートなど漫才ブームをけん引した芸人が多数出演していた『笑ってる場合ですよ!』の後続番組としてスタートする。当時のタモリは、イグアナのモノマネや四カ国語麻雀など、アクの強い、深夜番組の芸人というイメージが強かった。

今では想像もつかないが、テレビやラジオなどで、下ネタが多く、特に女性から嫌われる存在だったという。

タモリは「第68回日本放送協会放送文化賞」の授賞式で、当時の自分について「江頭2:50」と同じような扱いだった、と話している。

当時の制作陣は、そんなタモリをお昼の番組の司会者に抜擢したのだ。抜擢したプロデューサーが「こいつを夜の顔から昼の顔に」という考えで決定したと語っていたが、清水の舞台から飛び降りるような決断だっただろう。

サングラス (画像=写真AC)

番組が始まってからも、酔っ払ったまま番組に出演したり、「俺は子供が嫌いなんだ」と発言したり、それまでのアクの強さが残ったままの司会ぶりだった。その影響で、視聴率も芳しくなく、半年で打切りとの報道も出るほどだった。

しかし、番組が続いていく中で、そのアクが抜けていき、ユルい司会ぶりが評価されるようになる。それから、32年も続く国民的番組へと成長していくのだ。

平日のお昼は『笑っていいとも!』を見ることが当たり前で、生活の一部になっていた。学校や会社を休んだ時に、『笑っていいとも!』が見られる、と思った人もいるのではないだろうか。

「お昼の顔」としてのタモリは見ることができなくなったが、以前のようなアクの強いタモリは、他の番組で見ることができる。

敬称略

 
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