9月17日は「ソニーがニューヨーク証券取引所に上場した日」である。
世界最大の証券取引所で、世界一審査が厳しいと言われるニューヨーク証券取引所に1970年の本日、ソニーが上場した。
日本企業として、初めて上場したのがソニーである。
これが、ソニーが世界的企業として認められる第一歩となった。これに続けとばかりに、1976年にクボタが、1977年にはホンダが、ニューヨーク市場に上場していく。当時、ニューヨーク市場に上場している企業は全1,304社あった。その中でアメリカに本社を置かない外国企業は29社しかなかったという。
1970年当時、日本は高度経済成長期の真っ只中であった。
設備投資や新規事業を行う中で、どうしても資金が必要になる。新興企業のソニーには、銀行からの融資だけに頼るのは限界にあったという。そのため、海外資金と世界企業になる足掛かりのためニューヨーク市場上場をチャレンジしたのだ。
その後、ソニーの飛躍は、多くが知るところだ。今では、グループ総社員数は12万8,400名、総売上げ7兆6000億円を誇る大企業だ。
ソニーは、オーディオ、ビデオ機器以外にも多岐にわたる業種に参入しているコングロマリット企業である。2014年には、「ソニー不動産」として不動産仲介事業にも参入した。ITを駆使した営業手法を取り、中古不動産の活性化を行った。
顧客の資産や将来設計を割り出し、最適な物件を割り出していく。さらに、不動産業界の悪しき習慣であった仲介手数料に関しても新たな試みを取り入れる。通常、仲介手数料は成約価格に対して、一定の率で決められ、どの会社も同じ価格だった。しかし、ソニー不動産は、売買に掛かった費用に応じて手数料が変動する料金体系を取っている。
日本は中古不動産の流通が世界と比べて遅れている。先進国の中でも低い。古い習慣に一石を投じたのは、世界に打って出たソニースピリッツの現れかもしれない。