9月13日は「大阪万博が閉幕した日」だ。
1970年の本日、183日間に渡って開催された、アジア初の国際博覧会である大阪万博が閉幕した。
大阪万博は、世界77の国と地域が参加し、日本の戦後復興の象徴となった。
人類の進歩や将来の展望を示すことがテーマに掲げられ、今では当たり前になっている温水洗浄便座や動く歩道、ワイヤレスフォンなど、当時の最先端技術が多数出展された。
住宅の未来を予見するような展示もあった。
建築家の黒川紀章が設計したカプセル住宅というものだ。
宇宙ステーションをイメージして作られた住宅は、空中からぶら下がるように取り付けられており、柱に筒状の部屋が多数ある。自由に移動できる住宅というコンセプトを元に作られたという。
このカプセル住宅は後に実用化されている。
1972年に東京中央区に竣工された中銀カプセルタワービルである。この中銀カプセルタワーは、部屋ごとに交換ができる設計になっている。展示されていたものと、デザインは大きく変わっているが、そのコンセプトは、そのままで、後に黒川紀章の代表作にもなった。
カプセル住宅は、繁華街やターミナル駅近くにあるカプセルホテルの原型にもなっている。
カプセルホテルと言えば、終電を逃し、やむなく泊まる消極的な利用が多く、長らく男性用というイメージが強かった。
しかし、最近では女性のみのカプセルホテルや高級感のあるものが多く誕生している。さらには、狭い空間を効率よく発想が受け、外国人旅行者に大きな人気になっている。黒川の見た未来は、ホテルという形で世に広まったことになる。