9月6日は建築家「槇文彦の生まれた日」である。
幕張メッセなどメタリックな作品で知られる槇文彦は1928年の本日、生まれた。
槇文彦と聞いて最初に思いつく建物といえば、代官山のヒルサイドテラスではなかろうか。
ヒルサイドテラスとは、住宅や店舗、オフィスからなる複合施設である。
竣工した1969年から30年近くかけて段階的に完成させていき、今では11棟で形成されている。
代官山といえば、新しいものと古いものが上手く調和している高感度のファッションタウンだ。
しかし、代官山がそういったイメージになったのはバブル景気以降の話だ。
それまでは民家だけの、いわゆる田舎町であった。
そんな1969年の代官山にヒルサイドテラスが誕生し、一変する。
槇は、このヒルサイドテラスを中心とし、地権者と共に40年以上に渡って、代官山を開発した。これ以降、多くの商業ビルが建設され、ファッションもグルメもある住宅地へと変ぼうしていく。
ヒルサイドテラス (画像=Photos For Class)
槇はヒルサイドテラスの他にも、東京体育館や幕張メッセなどのイベントホール、大使館や大学校舎などを多く手掛けている。
そんな槇を世界的に有名にした建物は、青山にあるスパイラルと呼ばれる複合文化施設である。ギャラリーやホールを中心に、店舗が入っており、日本のポスト・モダン建築を代表する建物として、高く評価されている。
そして、槇の建築家としての集大成ともいえる建築物が2013年に竣工された。
2001年にアメリカ同時多発テロによって倒壊した、ワールドトレードセンター(WTC)跡地に誕生した、高さ298m、72階建ての高層ビル「4WTC」である。あの悲劇を忘れないように、事件の跡地を眺められる全面ガラス張りにしたという。槇は、開業式典で「歴史的な日であり、建築家として幸せ」と話していた。
敬称略