9月2日は漫画家「いしいひさいちの誕生日」だ。
『ののちゃん』などで知られる、いしいは1951年の本日、岡山県で生まれた。
関西大学在学中に、アルバイト情報誌にて、4コマ漫画『oh!バイトくん』でデビューする。
この『oh!バイトくん』は評判となり、単行本も発売される。
その後、代表作となった、元プロ野球選手・田淵幸一をモデルとした4コマ『がんばれ!!タブチくん!!』を発表、アニメ化もされる。
また、1991年から朝日新聞で連載していた『となりの山田くん』は、スタジオジブリで映画化もされる。
この『となりの山田くん』だが、主人公よりも妹である、ののちゃんの人気が高かったため、1997年より、主人公とタイトルを変え、『ののちゃん』として連載を続けた。
朝日新聞で連載中の『ののちゃん』 (画像=リビンマガジン編集部撮影)
2017年3月には、『ののちゃん』が連載7000回を超えた。
『となりの山田くん』時代から通算すると朝日新聞史上最長の連載漫画である。
いしいは、メディアへの露出を極端に嫌っており、『となりの山田くん』を映画化する条件として、記者会見やプロモーションに出ないことを約束させたという。
のの子が住む「たまのの市」は、いしいが生まれた岡山県玉野市をモデルにしている。
作品では、登場する家庭は三世帯住宅だ。
おばあちゃんやのの子がボケで、お母さんが突っ込むパターンが多い。
中には、オチが難解すぎて分からないこともある。
いしいは『ののちゃん』など、家庭の日常や学生の貧乏生活などを描いた作品が多いが、その中にも、政治や経済、流行などの風刺が織り込まれている。
また、その風刺を含んだ作風から、単行本などの、自身の紹介文では「作品傾向から敵が多く、今も引っ越しをくり返す。住所不定。」という一文が書かれている。
これは嘘ではなく、実際に引っ越しを繰り返しており、これまで大阪市、神戸市、江東区、鎌倉市など分かるだけでも、これだけ引っ越しをしている。
4コマ作品でありながら、「手塚治虫文化賞」や「日本漫画家協会賞」などを受賞し、玄人からも評価されている。
いわゆる、4コマ漫画の基本である起承転結を壊した、と言われているが、いしい自身はそういった意識は全くなく、そもそも4コマ漫画に基本などないと話している。
だからこそ、枠にとらわれない、自由な作風から生み出される漫画が爆笑を誘うのかもしれない。
敬称略