8月22日は名作映画「スタンド・バイ・ミーが公開された日」だ。
田舎町に暮らす12才の男の子たち4人が主人公だ。ある日、行方不明の高校生が列車にはねられ、死体がまだ森の中に放置されているという噂話を聞いて死体探しの旅に出る。
夏の日の少年の冒険と友情を描いた名作として知られる映画「スタンド・バイ・ミー」は、1986年の今日、公開された。
映画の中に登場してくるような線路 (画像=pixabay)
映画は男の子から少年に変わっていく夏の日を描く。
仲間といれば何でもできる気がしたあのフィーリングを思い出させるだけでなく、大人達の都合で子どもを傷つけてしまうチクチクとした罪悪感がないまぜになっている。結果として、冒険物語でもノスタルジー映画でもない、何十年も愛され続けるドラマ作品の名作となった。
映画の撮影にトラブルはつきものだが、特にこの映画は苦労が多かったという。
なかでも撮影開始のわずか2日前に映画の制作資金を止められてしまった時は、頭を抱えた、とメガホンをとったロブ・ライナー監督は後に語っている。
公開前は地味すぎるという評価も多かったが、封を切ってみれば全世界で大ヒットした。
この成功によりライナーはヒットしそうな作品にこだわるのではなく、自分らしいものを作り続けようと決意したという。実際にライナーは「スタンド・バイ・ミー」以降に、「恋人達の予感」や「ミザリー」、「ア・ヒュー・グッドマン」などタイプの違う映画を数多く作り、人気と評価の両面で成功した。どの作品も登場人物の心理を丁寧に描くという点は共通しており、映画ファンの間でライナーの作風として定着している。
劇中で物語の語り手の役を担う、華奢でいかにも繊細そうなゴーディは事故で兄を亡くしている。大きな喪失感を感じつつも、ショックのあまり塞ぎ込んでしまう両親との生活がなによりつらい。
ゴーディが両親と暮らす家は、いかにもアメリカ郊外という感じの平屋の一戸建てだ。そのあちこちに優秀で誰からも愛された兄の面影が残っていて、耐えられなくなる。
「お前が死ねばよかったのに」と父に言われる夢を見てしまうほどに、ゴーディの罪悪感は日々募っていく。それよりも作家になりたいという自分の夢を応援してくれた、唯一の理解者の死から立ち直れないのかもしれない。
窓から指す西日が印象的な家だった。