8月21日はタレント「稲川淳二の誕生日」だ。
怪談話で有名な稲川淳二は、1947年の本日、東京・恵比寿で生まれた。
夏と言えば、怪談。怪談といえば、稲川淳二の名前がいの一番に出てくるだろう。
毎年恒例となった全国ツアーでは、延べ50万人以上を動員している。
気味の悪いトンネル (画像=写真AC)
芸能界デビューはひょんなことからだ。
偶然参加したオーディションに合格してしまい、ラジオで15分のミニ番組を持つことになった。これが稲川の芸能界デビューだ。
その後、とんとん拍子で人気ラジオ番組オールナイトニッポンのパーソナリティにも選ばれる。
そのラジオで披露していた怪談話が好評で、今の芸風に繋がっている。
80年代後半からは、リアクションタレントとしてTVでも活躍した。
そんな稲川淳二だが、タレントとは別に、工業デザイナーとしての顔も持つ。
なんと、経済産業省が選定する、グッドデザイン賞も受賞しているのだ。
稲川は、幼少期から絵を描いたり、物を作ったりすることに興味があった。
工業高校卒業後、デザインの専門学校に通う。
渋谷にあるデザイン会社に入社し、店舗の外観やロゴマークのデザインに携わる。
1996年には、歩道と道路の間にある車止めをデザインし、先述したグッドデザイン賞を受賞する。
さらに、初期のバーコードリーダーをデザインしていることは、あまりに有名だ。
稲川は雑誌のインタビューで「次にデザインしたいものはなんですか?」という質問に対して、こう答えている。
「だれかが許してくれるなら、人が住んでいる生活空間をデザインしてみたい。町づくりをしてみたいです。何百年も変わらない、記憶に残る、何も裏切らない町を」と。
これは、稲川がトルコ・イスタンブールへ訪れた際の街並みに感動したからだ。
ホテルに飾ってあった100年以上前に描かれたイスタンブールの風景画と今の風景が全く変わっていなかったという。
そこから、都市デザインに思いを巡らせていたのだ。
多彩な面を持つ稲川だが、もし街を作ったらどうなるだろう。
車止めやバーコードリーダーのように機能性を重視しながら、怪談話に入り込むような楽しい魅力のある街をデザインするのではないだろうか。
敬称略