8月20日はコピーライター「仲畑貴志の生まれた日」だ。
仲畑は1947年の今日、京都市に生まれた。
70年代に頭角を現し、糸井重里らとともにコピーライターブームを作った立役者の一人だ。仲畑らの登場以降、80年代にはコピーライターが最もかっこいい職業になったといわれる。
「目の付け所がシャープでしょ」(シャープ)、「おしりだって、洗ってほしい」(TOTOウォシュレット)など仲畑の代表作は枚挙に暇がない。
どんな年代の人でも、あの広告もそうだったのか?と思うモノが絶対にある。
TOTOウォシュレット当時の新聞広告 (画像=リビンマガジン編集部撮影)
仲畑自身はコピーライターの作品にスポットが当たることは、好ましく思っていない。
広告は出稿主のもの、というのがプロの矜持なのだろうか。
仲畑は、地元である京都の工業高校を卒業後、宣伝会議が主宰する講座に通いコピーライターの道へすすむ。
就職試験にはことごとく落ちたが、新聞から一面広告だけを切り抜き、そこに自分のコピーを重ねたものを作り1社から内定をもらったという。
以降は数社の会社を転々としたのち、サン・アドに入社し、在籍時に数々の賞を受け、独立してからは引っ張りだこになった。
そんな仲畑だが、住宅メーカーのコピーライティングも手がけている。
いくつか紹介しておこう。
「仲良くしていれば、ケンカにならない」(住友林業)、
「会社、コンクリート。帰ったら、木の家。妻、美人」(同上)
「建つまで迷惑ごめんなさい。建ったら仲よくしてください」(大林組)
などがある。
仲畑は、コピーライトについて、「当たり前に存在する言葉を、皆が共感できるように表現をアレンジしてメディアに乗せて発信する」ことと語っている。
先述した住宅メーカーのコピーについても、突飛な言葉が並べられているわけではなく、日常の風景そのものが切り取られている。
だから、安心できる、どの世代にも共感できるコピーに仕上がっているのではないだろうか。
敬称略