8月16日は「女子大生の日」だ。
1913年のこの日、東北帝国大学(現・東北大学)に女子学生3名が合格したことを記念し制定された。当時の日本で大学に女子学生が入学するのは初めてだった。初の女子大生となった3人のうち1人は、後に植物色素の研究などで功績を残し、女性科学者の草分けとなった黒田チカだった。
100年以上経った今、大学入学者の男女比は拮抗しており、もはや女子学生は当たり前になった。しかし、例外もあるらしい。
東京大学だ。
東京大学は全学生のうち女子が1割弱しかおらず、他の大学に比べて著しく低いのだ。
この問題について、長く議論されてきたが、これまで一向に改善されなかった。
東大に女子学生が少ない理由として挙げられるのが、地方出身の女子学生の少なさだ。
東京で一人暮らしをする金銭的な問題、女子の一人暮らしという安全面を考えた生活の問題、そして、女子がわざわざ東大にまで行かなくてもいいと考える親の問題だ。
この3つがよく挙げられる。
実際に東大がアンケート調査を実施したところ上京後の住居への不安があることが、地方在住の学生の父兄から聞かれたという。
物思いにふける女子大生 (画像=GATAG)
そのため東大では、金銭の問題を解決するべく、2017年の4月に入学する女子学生のうち100名に限り、毎月3万円を家賃補助として支給する施策を発表し、各種マスコミでも大きく取り上げられた。
ネット上では、男女差別ではないかとの議論があったが、結果を見てみると、11年ぶりに女子学生の数が2割を超えるなど一定の改善が見られた。
しかし、まだ2割しかおらず、少ないことには変わりない。まだまだ改善の余地があるだろう。
この問題を考えると、女子大生の一人暮らしのハードルが高いことに思いが至る。
アットホームの昨年の統計をみると、首都圏で一人暮らしをする学生の平均家賃は男性約5,4万円に対して女性は約6,2万円と女性の方が高い。
やはり、オートロックなどのセキュリティ面を重要視しないといけないため、こういった結果になるのだろう。
この東京の家賃の高さが、女性受験者数を減らしているのかもしれない。
100年経っても女性が自由に学校を選ぶことができないのならば、嘆くべき状況は変わっていない。