8月12日は「配布の日」である。
日本広告配布事業協会(JADA)が住宅の郵便受けへのポスティングなどの活性化を図る目的で制定した。「は(8)い(1)ふ(2)」の語呂合わせでこの日になった。
受け取る側からすれば、家の郵便ポストに美容室や廃品回収、出前など雑多なチラシが入っていて迷惑することが少なくない。
ほとんどは読まれずに捨てられる。
―意味があるのかと思う人も多いのではないだろうか。
しかし、このポスティング広告が今注目されているという。
大量に投函されるチラシ (画像=リビンMagaaZine編集部撮影)
ポスティング広告は郵便受けに直接入れるため、その他の広告に比べれば手に取る機会が多いのだという。
また、一戸建て、もしくはマンション、さらには町名など細かく配布地域を分類できることも強みの一つだ。
出稿側としては、「1丁目~4丁目」のように細かく営業したい地域にのみ配れるので、戦略的な配布が出来る。
ポスティング広告で最も多いのはピザなど飲食店のデリバリーサービスともう一つは不動産のチラシだ。
不動産の場合は、売り出す物件の周辺にチラシを配布するのが最も効果的だからだ。
しかし最近、ポスティング自体を禁止しているマンションも多く、そういったマンションにチラシを投函すると強要罪という罪に問われると指摘するものもいる。
また、共有部分に踏み込んで投函すると住居侵入罪に問うと指摘するマンション組合もあるので、配布事業者からすると頭が痛い問題だ。
配布事業者側の効率化も進んでいる。
ポスティングスタッフにはGPSを持たせて、行動履歴を管理する会社もでてきた。
効率的なルートを探したり、配布が禁止されていたり、癖のある住民の情報をデータ化してトラブルを防ぐよう気をつけている。
また、行動を管理することによって、スタッフの「サボり対策」としての効果も発揮する。
デジタル広告の進歩が報道されることも多いが、チラシ配布というアナログな広告手法にも日進月歩の改善がされているのである。