8月8日は「フジテレビの日」である。
フジテレビが8チャンネルであるため、それにちなんで1988年からこう呼んでいる。
1988年8月8日の午前8時8分に「誠に勝手ながら8月8日はフジテレビの日とさせていただきます」というCMが突然流れたという。
フジテレビ (画像=写真AC)
ここ最近は、民放他社に後れを取っている印象のあるフジテレビだ。
報道番組で考えられないような事実誤認をそのまま放送したりなど、不祥事も絶えない。
フジテレビといえば「ドラマ」と言われるほど、かつては高視聴率を記録するテレビドラマが多かった。
中でも月9と呼ばれる、月曜9時枠の連続ドラマは、どの作品もたちまち話題になるフジテレビの看板枠であった。
月9は、恋愛ドラマが多い印象があるが、歴代最高視聴率を記録しているものはホームドラマである。
フジテレビのホームドラマで思い浮かぶのは『ひとつ屋根の下』ではないだろうか。
フジテレビドラマ史上最高の37.8%を記録している。
パート1、パート2が制作されている。
出演者も豪華な布陣だった。江口洋介、福山雅治、山本耕史といった今でも第一線で活躍する俳優が名を連ねている。
離れ離れになっていた兄弟たちと一緒に暮らし始め、家族の絆を深めていく話だ。
それまで、トレンディドラマが主軸であった月9でホームドラマが大ヒットとなったことはその後のドラマ界にも大きな影響を与えた。
江口洋介演じるあんちゃんの口癖だった「そこに愛はあるのかい?」は流行語にもなる。
家族6人が住んでいる木造2階建ての民家は、懐かしく感じる佇まいであった。
撮影で使われている柏木家のモデルになった家が新宿区西早稲田にあるという。
『高校教師』や『家なき子』など、センセーショナルな作品を多く手掛けてきた野島伸司脚本の本作も、妹がレイプされるなど、ホームドラマにおいても過激な脚本力は健在だった。
財津和夫が歌う、主題歌「サボテンの花」の歌詞にこうある。
「この長い冬が終わるまでに何かをみつけて生きよう 何かを信じて生きてゆこう」
フジテレビは今、長い冬の期間に入っている。
この期間に何を見つけれるか、何を信じれるか、今が一番の正念場だろう。
敬称略