8月4日は「橋の日」である。
橋の日は、宮崎県が1986年に「は(8)し(4)」の語呂合わせで発案した記念日だ。
宮崎県には、長さ250m、高さ142mで当時日本一の歩行者専用吊り橋である「照葉大吊り橋」があり、企画したらしい。
しかし、2006年に大分県にある「九重“夢”大吊橋」に、あえなく日本一の座を奪われてしまった。
照葉大吊橋 (画像=みやざき観光情報旬ナビ)
橋の数は、国交省の調査によると全国に73万橋ある。
高度経済成長期に道路や鉄道を設けるため、全国に多くの橋を建設する。
橋の活躍によって、物資の移動など地域経済が発展した。
しかし73万ある橋の7割以上にあたる約52万橋が地方の町村にあり、建設後50年以上経過した橋の割合は20%以上あるという。
橋の老朽化により、事故が起きたり通行止めになったりするケースもしばしば見受けられる。
自動車をあまり使わない過疎地域では、橋の点検・修理を怠り、事故に繋がるケースが多い。
また、老朽化で、救急車が通れなくなることもあり、事態は深刻だ。
2015年には、浜松市で橋の老朽化によって崩落が起こり、市の職員が死亡する事故も起きた。
この橋は元々、老朽化が懸念されていたという。
橋には莫大な維持管理費用が掛かる。
もちろん、その費用は税金から捻出されるため、過疎地域になればなるほど、財政を圧迫するのだ。
この維持管理費用など無駄なコストを掛けないように、山間部に住んでいる人を都心に移す「コンパクトシティ政策」というものがある。
過度な郊外化を是正するために、都市を中心とし、ヒトやモノを移動させ、無駄の少ない生活、行政を目指そうとするもので、その名の通り「コンパクト」な「シティ」を作る政策だ。
このように小さくまとまった街であれば、莫大な費用をかけて、橋の修理や維持管理をしなくて済む。
日本では、2006年ごろから、動きが活発になっていき、取り入れている地域も多い。
国もコンパクトシティの取り組みを本格化してきた。
推進のために予算を計上し、中心となる都市に対して補助金制度などを掲げている。
否応なしに迫ってくる、少子高齢化と人口の減少だ。
しかし、単に人を都市に集めれば済む問題ではない。
慌てて取り組むのではなく、じっくりと考えて将来の日本を作ってほしい。