7月20日は「ビリヤードの日」である。
1955年の今日、ビリヤード場を風営法の規制対象から外す法案が国会で成立したことに由来している。
かつてのビリヤード場はいかがわしい場所と認識されており、実際に賭博行為や売春の温床になっていた。
戦後になって、時の衆議院議員・真鍋儀十などの努力により、ビリヤードは健全なスポーツへと発展していき、風営法のくびきから離れることになった。
現在、ビリヤードは文部化科学省が推奨する生涯スポーツになっている。
日本にビリヤード文化が上陸した時期については諸説あるが、有力なのは江戸時代と言われている。
明治時代になると、東京に日本最初のビリヤード場である「ビリヤード山崎」が誕生する。
華族や軍の将官など、上流階級の社交場として発展していった。
先述のように風紀が乱れたこともあるが、戦後は競技スポーツとしては定着したと同時に趣味で楽しむ人も多くなった。
自宅内にビリヤード台 (画像=pixabay)
自宅にビリヤード台を置くことに憧れる人も多い。
しかし、実際に置くとなると、問題がある。
まずビリヤード台が入る広い部屋の確保、そもそも室内に台が入るのかということを考えなければいけない。
実際に置けたとしても、プレイ中の音も問題の種だ。
球が衝突した時の音や、球がレールを転がりリターンボックスに落ちる時の音などはかなり気になる。
狭い日本の住宅には馴染まないのだ。
では海外なら良いのかというと、そうでもない。音楽家のモーツァルトもビリヤードの騒音で引っ越しを余儀なくされたという。
モーツァルトは専用台を所有するほどの愛好家で、深夜までビリヤードを楽しむこともしばしばあった。その音で苦情が殺到したため、10年で10回以上も引っ越しを行っていると文献に残っている。
敬称略