7月15日は「ファミコンの日」だ。
遊びの常識を変え、ブームを起こしたゲーム機「ファミリーコンピュータ」(通称:ファミコン)は1983年の今日、任天堂(京都市)から発売された。
ファミリーコンピュータ本体 (画像=GATAG)
ファミコン発売前から、家庭用のゲーム機は何度か発売されていたが売れ行きは悪く、ゲームセンターのアーケード人気には勝てなかったという。操作性や画質が比較にならないほど悪かったからだ。
しかし、ファミコンは、操作性や画質、音楽などでもアーケードゲームにも負けない表現力があり、爆発的な人気を得た。
多数のソフト会社がファミコンに参入し、メーカー間の競争で、良質のゲームが多数、生み出されたことも人気を集めた要因の一つだと言える。
実際に、ファミコンの基盤は、当時のパソコンと比べてそん色ない性能を備えていた。
こういった他に負けない機能を備えながらも、価格が約1万5,000円と抑えられたことで、親が子どもに買い与えやすかった。パソコンメーカーが作ったならば、10万円は下らないでは到底販売出来なかったという。
ファミコンの最終的な出荷台数は全世界で6,191万台(日本では1,935万台)を記録した。
発売当時は、子どもが大人数で外で遊ぶことが少なくなってきた時代であった。
核家族化、都市部のマンション建設による過密化、習い事が当たり前になった時期で、子ども同士が遊びのために時間を合わせることが難しくなっていた。
そこにきて、一人でも遊べるファミコンの登場で、この状態がより強固になっていくかと思われた。しかし、蓋を開けてみると、子ども達はファミコンを持っている友達の家に大勢が集まって、ゲームに熱中した。
大人数で遊ぶことや、友達の家に遊びに行くことなど、ファミコンを通して、昔の伝統に立ち返らせたとも言われている。
当時の家庭では、子ども部屋にテレビが置いてあることは少なかった。
ゲームをやるのも居間のテレビで、チャンネル争いも激化した。またゲームに熱中しすぎて、両親にファミコン本体や周辺機器を取り上げられた人も多いのではないだろうか。ファミコンを巡る、思い出は尽きない。
ファミコンは文化だった。
今でも根強いファンが多く、昨年には、ミニファミコンと呼ばれる30タイトルのゲームが収録された復刻版が発売された。当時熱中していた大人世代がこぞって購入し、発売と同時に売り切れてしまったという。