これから不動産投資を開始し大家としてやっていくなら、適切な家賃の決め方は覚えておく必要があります。
不動産賃貸業は借主がいて成り立つため、高すぎれば借り手が付かず、安すぎれば事故物件だと疑われることもあります。
そのため適切な家賃の決め方を覚えておきましょう。
競合となる賃貸物件から相場を知る
賃貸物件は必ず周辺地域に競合となる物件があります。
多くの借主は部屋を探すとき、およその地域と家賃相場を言うでしょう。
すると似たような物件を複数紹介され、必ず競合となる物件と比較して同等の物件なら家賃が低いほうを選びます。
そのため家賃相場は比較しなければなりません。
値下げ競争をするのも考えものですが、ある程度の相場は知る必要があります。
もし同等の物件が周辺にあるようなら、家賃を下げるだけでなく、設備投資をする方法もあります。
ユニットバスか風呂トイレ別か、エアコンは付いているか、洗濯機置き場の確保、コンロの備え付け、無料のネット回線、宅配ボックスなども比較されています。
また、初期費用をサービスするのも家賃を下げすぎない対策です。
更新料、退去時のハウスクリーニング代、鍵交換を無料または割引きすれば、競合物件との差別化が可能でしょう。
競合物件で空き室が長い部屋も調べる
不動産投資をする上で重要なのが、空き室対策です。競合物件で空き室が多いところや、1年以上決まらない物件もチェックしましょう。
お風呂が無い、脱衣所が無い、洗濯機や冷蔵庫置き場が無い、そもそも家賃相場がおかしいなどの理由があります。
長い間空き室が出ていれば、競合とはなりえないため、その家賃を最低ラインに設定しましょう。
もし家賃が高すぎるのであれば、上限の参考にもなります。
利回りから決める
不動産投資をする以上利益が出ないと経営が成り立たないため、利回りから考える方法もあります。
新築や中古物件も同様に利回りを割り出すことが可能です。
注意したいのが物件情報やチラシに記載されている表面利回りです。これは「年間の収入÷土地と建物の購入費用×100」で割り出します。この表面利回りは条件がいいように見えるのです。その理由は必要経費を含めていないためです。実際には年間収入から年間支出も引かなければならず、実質利回りで考えないと手元に残るお金がわかりません。固定資産税、火災保険料、管理費、修繕積立金などを足し、年間収入から引いて割り出しましょう。
また、空き室が出るリスクもあるため、満室を想定するときと、空き室が出るときの利回りも比較してください。このときの家賃は部屋ごとの条件で変えても構いません。
まとめ
家賃の決め方は、実際に不動産投資をするときだけでなく、不動産売却にも役立ちます。賃貸として利用していた物件を売却する場合、買い手に利回りをアピールすることが可能です。家賃の設定は高すぎても人が集まらず、安すぎても問題があると思われるため注意してみてください。