マンション購入後に賃貸にすべきか、売却して清算すべきか多くの方が迷うでしょう。
賃貸と売却とに関連する費用の面や、今後の精神面について紹介します。
結果的にどちらを選ぶべきか、比較してみましょう。
費用の面で比較した場合
マンションを賃貸か売却か迷ったら、まずは費用の面で比較してみましょう。
賃貸にすれば毎月安定した賃料が得られます。
その代わり入居者が入れ替わる際の修繕費や清掃費用、毎月かかる管理委託費が必要です。
さらにマンションの場合は貸主が管理費、修繕積立費、固定資産税も負担しなければなりません。
住宅ローンが残っていれば毎月支払っていきます。
売却した場合は、売却代金が得られます。
その際に仲介手数料が売却代金の3%+6万円が上限でかかります。
ほかにも抵当権抹消等登記費用、収入印紙、必要に応じて修繕費や清掃費、譲渡益が出れば所得税の支払いが必要です。
住宅ローンを利用していれば、残債を一括払いしなければなりません。
結果的に様々なコストがかかり、購入した金額と比べて結果的に損するケースも少なくありません。
利益を多くしたいなら賃貸がおすすめ
自宅として所有していたマンションを賃貸住宅として貸す人がいるのは、売却しても様々なコストがかかり、譲渡益が得られづらいからです。
それに、住宅は経年劣化していれば、おのずと資産価値が低下し、購入価格より高く売れることは多くありません。
注意したいのが税金面です。
譲渡益が出ると、長期譲渡所得の場合で所得税が15%、住民税が5%かかります。
短期譲渡所得は注意が必要で、所得税が30%に住民税が9%もかかってしまいます。
短期で住宅を売り譲渡益が出る場合40%近くも税金を取られるため、節税の意味で賃貸にまわす人も多くなっています。
税金面では必ずしも高額な税金が取られるわけではなく、マイホームを売り譲渡益がある場合は、3,000万円の特別控除が受けられるため、一般的なマンションを売却した場合は税金がかからない仕組みです。
それでも賃貸を選ぶ人が多いのは、売れば資産は残らず、賃貸にすれば資産が残ったうえで賃料も得られるからです。
賃貸にした場合の手間やコストも比較しよう
利益を多くして資産を残すなら賃貸ですが、賃貸にもデメリットがあります。
毎月安定した収入が得られても、管理の委託費用や入居者の入れ替わりに修繕や清掃の費用がかかるでしょう。
さらに毎年確定申告の必要性や、入居者の募集、入居者からのクレーム対応など手間がかかります。
注意したいのが、賃貸住宅の空き室率は増加していることです。
総務省が発表した平成25年のデータによると、全国の共同住宅の空き室は820戸と過去最高になり、13.5%を占めていることがわかりました。
少子高齢化や地方の人口減少などに伴い、一貫して上昇を続けています。
なかでも民営による共同住宅が多くを占めており、賃貸ノウハウを持たない人が安易に手を出して必ず成功できるとはいいづらい現状があるのです。
まとめ
単に受け取れる総額で考えると賃貸にしたほうがいいかもしれません。
しかし賃貸にした際の手間やコストの問題や、今後の空き室率増加のことを考えると簡単に手を出すべきではないともいえます。
かといって売却してしまえば資産がなくなってしまうため、その家庭に合わせた選択をすべきでしょう。
具体的にどのくらいの費用がかかり、手間も考慮したうえで選択してみてはどうでしょうか。