あらかじめ売却することを想定し不動産を購入するなら、戸建てとマンションどちらがお得なのでしょうか?
実は戸建てとマンションは特性が違うため、まったく同じように考えることはできません。
売却を視野に入れるなら、何年後でも価値が残る物件を選ばなければなりません。
戸建てのケース
新築住宅を3,000万円で購入した場合、土地に1,000万円、建物に1,500万円、残りが諸費用等で上乗せされていることが多くなっています。
木造住宅の場合、築20年で建物の価値はほぼなくなり、20年後に売却を想定すると1,000万円相当の土地の金額しか得られません。
さらに郊外に建てたとなると、今後は少子化で人口が減少し、ますます買い手が付かなくなる可能性があります。
20年後に1,000万円の土地の値段で売れる可能性があるといっても、買い手がいなければさらに安く売るしかないのです。
ちなみに都心でも建物にかかる費用は一緒なので、土地の費用が上がりその分売却価格は上がるといえます。
築20年を超えても買い手は付きやすく、郊外より建物の価格も多少乗れば、郊外と比べてそれほど大きく損することはありません。
仮に3,000万円のうち2,700万円を35年ローンで組んでいたとすると、20年後の売却時にローンの残債が1,300万円くらいは残っている計算となります。
土地代1,000万円で売れれば赤字となってしまうわけです。
逆に都心のブランド力のある場所の戸建てでは、20年経っても土地の価格が高く、最低でもローンは完済できます。
マンションのケース
一方でマンションの場合は、建物自体のメンテナンスができていれば、耐久年数は60年ともいわれています。
劣化の激しいマンションでも、30~40年は持つため、戸建てと比べて資産価値が維持できる特性があります。
さらにマンションは駅前など交通の便がいい物件が多く、少子化の影響を受ける割合が少なくなります。
駅から徒歩3分の物件、2LDK~3LDKの場合は、幅広い購入層も見込め、20年経っても買った価格より下がらず売却できる可能性もあります。
ただし、マンションの場合は配水管の劣化で、築30年で取り壊すケースもあります。
配水管は25~30年の寿命で、コンクリートに埋め込んでしまうと取替えが困難になります。
マンションの耐用年数を上げるには、配水管をむき出しにしてあることが条件です。
また、鉄筋コンクリートの劣化を判断するには、劣化対策等級2~3を選んでください。
高齢者が増える今後は、買い物や病院へのアクセスがしやすい都心部のマンションが好まれる可能性が高いでしょう。
若い世代も車を持たない人も増加していて、郊外の戸建てで子育てしやすい環境を求めるより、生活の利便性を重視する傾向があるのではないでしょうか。
人口が減少する現代では、便利な場所は一箇所に集約してきているため、そういった物件を選べば資産価値が大きく減ることはないでしょう。
ライフスタイルに合った住まいを
駐車場を2台確保しなければならない、大きな犬を飼いたい、庭を手に入れたいという希望があるなら、迷わず一戸建てを選ぶべきです。
郊外の戸建てを選び売却価格が下がっても、将来夫婦2人になれば、中古のマンションを購入するから問題ないという方もいるはずです。
また、20年後に確実に住み変えを希望し、売却価格を下げたくないという希望があるなら、都心のマンションがおすすめです。
どちらを選ぶかは人それぞれで、20年後にもなればまた違う考え方が出てくる可能性もあるため、それぞれのライフスタイルで選択してみてください。